2025.05.15

「いま思い出しても心臓がバクバク」引退表明の宮崎早織が忘れられない日本代表戦

馬瓜エブリンとパリ五輪出場決定を喜ぶ宮崎早織[写真]=fiba.basketball
バスケ情報専門サイト

 5月15日、バスケットボール女子日本代表宮崎早織ENEOSサンフラワーズ)が記者会見を開き、2025-26シーズン限りで現役を引退することを発表した。

 東京2020オリンピックに続き、パリ2024オリンピックでも日本代表に選出されてきた日本バスケ界屈指のスピードスター。これまで数々の大舞台を経験してきたが、「日本代表で一番印象に残った試合」は、バスケ界最高峰の舞台である五輪ではなかった。

「一番苦しかったのは東京オリンピックでしたけど、一番思い出に残ったのはOQT(パリ五輪世界最終予選)。バスケットボールを始めてから今までのどの試合よりも緊張したのがOQTだった。そこはこれからも忘れられない試合なんじゃないかなと思っています」

 東京五輪銀メダリストの日本代表(当時FIBAランキング9位)は、2024年2月にハンガリーで開催されたスペイン(4位)、ハンガリー(19位)、カナダ(5位)と同組になったものの、“死の組”とも呼ばれた厳しいグループを2勝1敗で突破。主力選手の一人として出場した宮崎は、ハンガリー開催のOQTでベストファイブに選出される活躍を見せ、3大会連続となる日本代表の五輪出場に貢献した。

記者会見で来季限りでの引退を表明した宮崎早織[写真]=バスケットボールキング


 宮崎は「生きた心地がしなかったですし、3日間寝られなかったですし、まずハンガリーに行くという移動が遠いのも嫌でしたし。全部けっこう嫌でしたね(笑)」と、笑いも交えながら当時を振り返る。

「東京オリンピックのときは“お客さん感”があったんですけど、恩塚ジャパンでちょっとずつメインで使ってもらえるようになって、まさか自分がOQTでスタメンで試合に出られるなんて思ってもいなかったので。責任も感じますし、覚悟も持たなきゃいけない試合だった。リュウさん(吉田亜沙美)がいてくれてすごく助かりましたけど、あの試合だけはいま思い出しても心臓がバクバクするくらい、心に残っていますね」

 女子日本代表は、今年7月に『FIBA女子アジアカップ2025』を戦い、出場権を獲得できれば『FIBA女子ワールドカップ2026』も来年に控えており、宮崎に招集の声がかかる可能性もある。ただ、宮崎は「東京オリンピックから今まで休みがずっとなかったので、最後の1年はENEOSで全力を尽くしたいという思いがあるので。選んでいただけたらうれしいと感じると思うんですけど、チームにすべてをかけて戦いたいという思いが強いので、そこはコーリー(ゲインズHC)と話して決めていけたらと思います」と心境を語った。

宮崎 早織の関連記事

女子日本代表の関連記事

WJBLの関連記事