2025.06.15
女子バスケットボール界屈指の司令塔である町田瑠唯。学生時代からバスケファンを魅了してきたトッププレーヤーが、自身の個人ファンクラブ『町田瑠唯ファンクラブ』を立ち上げた。設立の経緯や支えてくれたファンへの感謝の気持ち、今後のキャリア、そして日本代表への思いについて――。2025-26シーズン開幕を目前に控え、新たな一歩を踏み出した町田に胸の内を聞いた。
インタビュー=藤田皓己(バスケットボールキング編集部)
――今回ファンクラブを立ち上げることになったきっかけと経緯を教えてください。
町田 これまでファン感謝イベントのような、ファンの方々に直接感謝を伝える場だったり、一緒に楽しめるような機会がなかなか無く、変えていきたいなという思いがありました。私が株式会社RUIを立ち上げたこともあり、そういう機会を増やしていけたらいいなという気持ちでファンクラブを立ち上げました。
――ファンクラブの構想はいつ頃からあったのでしょうか。
町田 以前からファンの方に「ファンクラブを作ってほしい」という言葉をいただいていました。私はあまり人前に出ることが得意じゃないんですけど、バスケットボール選手としてあと何年現役をやるかわからないですし、コロナ禍でファンの方々と会えない時期があって、皆さんとの関わりが少なくなってしまったなということも感じていたので。ファンクラブで皆さんとつながりたいなという思いがあって、数年前から考えていました。
――ファンクラブではどのような“町田瑠唯”を見せてくれるのでしょうか。
町田 私の性格上、表に出ることが得意ではないので。ファンクラブでしか見られないようなプライベートなところだとか、直接ファンの方と会話できる機会を作ったりだとか、バスケットボールクリニックのようなイベントを開催したり…。バスケットをプレーする人じゃなくても、イベントで関われるようなものを作っていきたいと思っています。
――シャイな町田選手にとってはファンクラブ関連の撮影も恥ずかしいですよね。
町田 個人的に違和感はあります(笑)。ちょっとこれは頑張らないとな、という気持ちもあるんですけど、でも今しかできないことでもありますし、現役中にやることがファンの方への恩返しなのかなとも思うので。ファンクラブに入っていただけたら、それが無駄にならないようなコンテンツを発信していけたらなと思います。
――町田選手に憧れる少年少女や部活生との接点も生まれそうですね。
町田 そうですね。ファンクラブでは、皆さんの質問に私が答える『質問箱』も作っているので、バスケットボールをプレーする子たちにとって何かのきっかけになったり、ヒントになるものがあればいいなと思いますし、少しでも手助けができたらいいなと思います。現役中でも引退後でもバスケットの楽しさを伝えていきたいと思います。

2023年9月からオリジナルブランド「MACCHI」も展開[写真]=島田孝太
――これまで様々な経験をされてきたと思いますが、ファンの存在に助けられたなと感じたことはありましたか。
町田 もちろん優勝した時は、たくさんのファンの方にすごく支えられているなと感じますが、それ以上に自分のプレーが良くない時や、負けが続いてしまった時こそファンの方々の力を感じています。結果が良くなくても背中を押し続けてくれるというのは、本当に私だけじゃなくて多くの選手たちの助けになっています。これからも感謝の思いとともに恩返しをしていきたいと思っています。
――悲願のタイトル獲得はファンへの恩返しにもなりましたね。
町田 Wリーグで14年間プレーしてきて、新人の時から応援してくださっている方もいますし、勝てなくてもずっと支えてきてくれた人たちだと思うので。本当に感謝しています。
――長年ファンと接してきて“町田瑠唯ファン”の特徴を感じる場面はありますか。
町田 私の性格を理解してくれているな、というのは感じますね(笑)。あまり喋る機会はないんですけど、上手くファンサービスができなくても、それを許してくれているじゃないですけど、私の性格を理解してくれているなと感じます。話すときも「写真とか苦手だと思うんですけど…」みたいな感じて言ってきてくれたり、気を遣って接してくださる方が多いなと感じます。
――ファンクラブの存在は町田選手にとってモチベーションになりますか。
町田 プラスになると思っています。今までもわかってはいたんですけど、ファンクラブをつくることで、今まで以上に応援されていることを実感するのかなと思います。まだ始まったばかりなのでわからないですけど、皆さんとの関わりが増えることでより一層頑張ろうという気持ちになるのかなと思いますね。

現役引退と日本代表についても語った[写真]=島田孝太
――間もなく2025-26シーズンが開幕します。今オフはどのようなことを意識して調整してきましたか。
町田 コンディションを整えることを最も意識してきました。昨シーズンが終わった後もコンディションが良くはなかったので、体を整えて戻していくことを重点的にやってきました。基礎的なところ、体の使い方をしっかり確認しつつ、昨年トレーニングを少し変えた成果も出てきているので、そこは今シーズンも継続してやっていきたいなと思います。
――キャリアと年齢を重ねてきたことで、オフの過ごし方に変化は出てきましたか。
町田 これだけ長く選手をやってきているので、どれくらいで自分の体が戻るとか、良くなっていくという計算ができるようになりました。疲労感が抜けにくくなったり体の変化もあるんですけど、私はずっと休むことができないので、うまくバランスを取りながらやっています。ただ、ここ何年かは完全にオフを作るようにしています。どちらかというメンタルの疲労をとるためのリフレッシュ期間ですね。バスケットからも離れて楽しむ時間をつくることはやっています。
――昨シーズンからはヘッドコーチの交代、盟友の引退など様々な変化があったかと思います。今シーズンは町田選手にとってどのようなシーズンになるでしょうか。
町田 今年はより一層チャレンジの年だと思っています。チームとして、新体制になりましたし、今シーズンから外国籍選手がどのチームも入ってきます。その中でも、うちらしいバスケットで戦っていきたいと思っています。連覇を期待される声もありますし、もちろん目指すべきところですが、そこだけにフォーカスしすぎず、目の前のことに集中して、チャレンジし、成長していけるように頑張っていきたいです。
昨シーズン限りで引退した同世代の本川については、試合会場で会えなかったり、コート上でマッチアップできなかったり、さなえのプレーが見られなくなるのはとても寂しいですが、同世代が減ってしまった一方で、頑張らなきゃなという気持ちはあります。
――町田選手ご自身は “引退”について考えることはありますか。
町田 正直、同世代が引退し始めるとちらつきはします。ただ、そういう歳になったんだろうなという実感は沸いてくるんですけど、自分が引退するというイメージがまだなくて。バスケットは今しかできないので、やれるだけやりたいし、自分のプレーに納得いくことはないと思うんですけど、悔いがない終わり方ができるように現役をやっていきたいなと思います。
――今夏は『FIBA女子アジアカップ2025』に町田選手の姿がなく、モヤモヤされたファンの方々もいたと思います。日本代表への思いも聞かせてください。
町田 いま、若い選手もいい選手が多いですし、絶対日本代表に入ってやる!っていう気持ちよりは、目の前のことをやっていくなかで、代表のヘッドコーチに声をかけていただけたら、しっかり責任持って頑張りたいと思っています。選手である限り、やっぱり必要だなと思ってもらえるような選手になりたいと思っていますが、色々なスタイル、色々な考え方のヘッドコーチがいると思いますし、これから「ロサンゼルス2028オリンピック」に向けて準備していく段階だと思うので、しっかり目の前のことに集中して、与えられたチャンスの中で頑張っていきたいと思います。
――最後にファンの皆さんへメッセージをお願いします。
町田 ファンの方とつながる機会がない中でつくったファンクラブでもあるので、いろいろな方といろいろな形で関わっていきたいです。私がファンクラブをつくるというよりは、みなさんと一緒にファンクラブをつくり上げていきたいので、私を通してみんながつながっていくようなファンクラブになったらいいなと思います。ぜひ入会してもらって、一緒にファンクラブを盛り上げていきましょう。よろしくお願いします!
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