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今夏は日本代表ではなく“調整に集中”…デンソーアイリスの赤穂ひまわり「100%のプレーを」

充実の夏を経てデンソーを支える赤穂[写真]=田島早苗
フリーライター

■「いつでもできることがある」数字に表れない貢献

 12月19日、東京羽田の本拠地である大田区総合体育館にてデンソーアイリスと東京羽田ヴィッキーズとの一戦が行われた。

 試合は、第1クォーター中盤からアニマムジャックダニエルや笠置晴菜らのシュートで抜け出したデンソーが22-11とリードして第1クォーターを終える。しかし第2クォーターに入ると、デンソーは東京羽田のポイントゲッターであるシャノン・ティアラ・フルーカーに次々と得点を許し、点差を縮められてしまう。

 それでも、そうした苦しい時間帯にデンソーは、髙田真希のシュートなどで再び東京羽田を引き離すのだが、後半も引き離しては詰められと、東京羽田を振り切ることができない。最終的には26得点の髙田の活躍もあったデンソーが72-62で勝利したが、2戦目に課題を残す内容となった。

 試合後、「お久しぶりです」と、取材場所に現れたデンソーの赤穂ひまわりは、いつものようにゆっくりと試合を振り返った。

[写真]=田島早苗

「試合の入りは結構良かったんですけど、相手の強みを分かっていた中でそこをやられてしまったので、明日(の試合)は、そこをアジャストすること。そうすればもっといい試合ができると思います」

 赤穂は、この試合では26分の出場で4得点。シュート本数が7本に留まったことで得点は伸びなかったが、「ガード陣が調子良いので、そういうときに自分が点数を取りに行くのかといったら…。取りに行った方がいいのかもしれないけれど、ディフェンスやリバウンドなど、いつでもできることがあるので、そこをしっかりやっていきたいなと思っています」という。その言葉の通り7リバウンドをマークしたほか、リバウンドにからむことでボールを弾いたり、相手に簡単にボールを取らせなかったりと、数字に表れない貢献は大きかった。

 その赤穂は、シーズンの開幕前、例年と違う夏を過ごしていた。

■「とにかく自分のことだけ考えてやっていました」

 ほぼ毎年女子日本代表活動に参加し、幾多の国際大会を戦ってきた彼女だが、今年は昨シーズンに負ったケガの治療などもあり、日本代表が活動していた期間は、デンソーの拠点である刈谷に根を張り、新シーズンに向けた準備に集中していたのだ。

「チームにずっといることができたので、シーズンに向けての準備はこんな感じなんだというものが改めて分かりました。それに体作り、トレーニングなどもやりたいことができました」と、赤穂は夏の時期を振り返った。

[写真]=田島早苗

 もちろん、日本代表の“顔”の一人ともいえる存在の赤穂には、今後、再び日の丸のを付けた姿を見たいと願う人は多い。

 それに対し赤穂は「(オフシーズンは)とにかく自分のことだけ考えてやっていました。日本代表はシーズンを戦う中でちゃんとやることをやっていたら付いてくるものだと思っています。だから今はWリーグを頑張るということにフォーカスしています」と、しっかりとした口調で語る。

「日本代表に行っていたらそこで結果を残せるように頑張りますし、私自身は、今いる場所でやっていることに対して結果を残せるようにしていきたいと思っています」と、その意志はブレない。

Wリーグの変化にも言及

[写真]=田島早苗

「調子自体は悪くないです」とにこやかに笑った赤穂は、外国籍選手の導入で変わったシーズンについては、「外国籍の選手が入ったことでリング下のバチバチも変わりましたし、毎試合大変です(笑)」と苦笑い。

 今シーズンは4番ポジションを担っているため、「昨シーズンとやることが大きく変わったわけではないのですが、ボール持つ機会だったり、タイミングだったりは少し変わってくるので、もっと状況を見ながら動かなくてはいけないと思っています。ディフェンスでもピックに行く方、ハンドラーではない方を守る機会が多いし、リバウンドも、もっともっと体を張らないといけない場面が増えています。これまで4番をやったことがないわけではなかったのですが、4番がメインになったというところでは少し変化はあると思います」と、自身の変化を語った。

[写真]=田島早苗

 Wリーグはレギュラーシーズンの後半戦に突入。また、1月5日からは一つ目のタイトル争いとなる皇后杯も行われ、シーズンも佳境へと入ってくる。皇后杯では2大会ぶり、そしてWリーグでは初優勝を狙うデンソーにとって赤穂は勝敗を左右する存在だ。

「徐々に自分の調子も上がっていますし、100パーセントのプレーをコートで表現していきたいと思うので、ぜひ会場に足を運んでその姿を見ていただければうれしいです」

 年が明けた2026年、冬のコートに咲く“ひまわり”を見に行くのもいいかもしれない。

文=田島早苗

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