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チームとともに成長曲線を描いた“練習の虫”…山梨QBの司令塔・池田沙紀が入替戦で奮闘

山梨をリードした池田沙紀 [写真]=W LEAGUE
フリーライター

「勝っても負けてもこのチームでできる最後の試合だったので、余すことなく全部を出し切ろうと思っていました。課題がたくさん見つかった試合でしたが、すごく楽しい試合だったと思っています。もちろん、本当に悔しいの一言ですが、それ以上にここまで来られたというのは、たくさんの人に支えてもらって今があるので、感謝してもしきれないなと思っています」

 3月18日から20日の期間で行われた「Wリーグディビジョン入替戦2025-26」(国立代々木競技場第二体育館)。アイシンウィングス(プレミア7位)に挑んだ山梨クィーンビーズ(フューチャー2位)の池田沙紀は、1勝1敗で臨んだ第3戦の試合をこう振り返った。

 第1戦では山梨QBの持ち味である粘り強いディフェンスや機動力、思い切りのいいシュートが決まり、76-50と26点差をつけて快勝。池田はスターターのポイントガードとしてテンポいいオフェンスを組み立てただけでなく、激しいディフェンスや自らが積極的にリングに向かうなど、9得点7リバウンド8アシスト3スティールと活躍を見せた。

 しかし、第2、3戦は渡嘉敷来夢を擁するアイシンを止められず。第3戦では池田も9得点8アシストと攻撃の中心を担ったが、「コートに立っているポイントガードとして、オフェンスでもっとコントロールしなくてはいけなかったのに、自分のターンオーバー、勝負所のミスで相手に流れを渡してしまったことは反省点です。相手のほうが最後に決め切る力が上だったかなとも思います」と、終盤での自身のミスを悔いた。

 最終的にはプレミア昇格は果たせなかったかもしれない。ただ、シーズンを振り返れば山梨QBにおいて池田の存在は大きかった。

 それは数字にも表れていて「今シーズンはすべてのスタッツが上がっているのではないかと思います」(石川幸子ヘッドコーチ)というように、得点、アシスト、リバウンドをはじめ、あらゆる面で平均値を伸ばした。

「パスを回してくれる味方やスクリーンかけに来てくれるビッグマンのおかげで自分の強みを今シーズンはすごく出すことができたなと思っています。個人的にも練習してきたことをしっかりコートで表現できたところが多く、“できるようになってきた”という点では少し成長できたのかなと思います」と、池田自身は仲間の存在を挙げながらシーズンを振り返った。

 また、「たくさん支えてもらって声もかけてもらいました。2人で一緒に頑張ろうとやってきた中で、自分ができなかったときにたくさん助けてもらったし、逆に自分も助けてあげたいなと思ってコートに入っていました」と、同じ司令塔で岐阜女子高校(岐阜県)の先輩にもあたる坂田侑紀奈についてもこのように語った。

 石川HCは、今シーズンのチームを「こちらが止めても自主練習をする選手たち」と評したが、その中で「一番練習する」のが池田だという。

「常に上を目指そう、どうやったらうまくなるかを考えている選手。彼女の成長がクィーンビーズの成長といっても過言ではないと思います」

 指揮官は、シーズンを通してタフに戦った司令塔を手放しで称えた。

「シーズン通してクィーンビーズへの大きな声援をいただいて、苦しい時間帯でも応援の力ってすごいなって感じたし、感謝してもしきれないなと思っています。だからこそ、結果で返したかったなと思います」

 応援してくれる人たちへの言葉を何度も口にした池田。人一倍負けず嫌いの158センチのガードは、「身長が低いのは変えられない事実で、そこを言い訳にしたくないし、身長が低いからといって戦えないわけではないと思っています。むしろそこを強みに戦えるというところをもっと見せたかったです」とも口にした。

 入替戦に出たからこそ感じることのできたプレミアの壁。この経験が池田にとって今後のさらなる飛躍につながっていく。

文=田島早苗

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