2026.03.20
Wリーグはいよいよ大詰めとなり、3月28日からはスカイホール豊田(愛知県)にて「京王電鉄 Presents Wリーグプレーオフ 2025-26 セミファイナル」が行われる。
このプレーオフ・セミファイナルに初進出となったのがトヨタ紡織サンシャインラビッツだ。

今季は念願のプレーオフSFに出場 [写真]=W LEAGUE
遡ること6シーズン前、トヨタ紡織は全12チームで争ったレギュラーシーズンで上位をキープしていた。それだけに8チーム間で行われるプレーオフでもチーム史上初となるセミファイナルへと勝ち上がるチャンスは大いにあった。だが、この2019-20シーズンは新型コロナウイルス感染症の拡大によりレギュラーシーズン終盤とプレーオフが中止に。各チームがレギュラーシーズン6試合を残していたタイミングで、トヨタ紡織はこのとき4位につけていた。
そして、そのシーズンにルーキーだったのが、現在はチームのリーダーであり日本代表としても活躍する東藤なな子。名門・札幌山の手高校(北海道)出身でアンダーカテゴリーの日本代表でも主軸を務めていた大物新人は、1年目からスターターとして出場し、得点、リバウンド、スティールではチーム一の数字を残した。
しかしこのシーズン以降、チームはプレーオフに進出するも、クォーターファイナルやセミクォーターファイナルで敗れ、セミファイナルには届かなかった。
昨シーズンからはプレミアとフューチャーの2部制となり、プレーオフもセミファイナルからで出場は4チームのみに。そのため、昨シーズンはレギュラーシーズン6位だったトヨタ紡織がプレーオフに進むことはなかった。
だが今シーズン、プレーオフ進出争いの中心にいたトヨタ紡織は、最後は僅差の戦いだったものの、4位の座を死守。念願のセミファイナル進出を決めた。

若き日本代表もWリーグ7年目を迎えた [写真]=W LEAGUE
「めっちゃ長かったです」
入団して7年目。ようやくつかんだセミファイナルの切符に、東藤はかみしめるように言葉を発した。さらにその理由をこうも語った。
「1年目は行けそうだったけど、2年目以降は5位や6位。また5位か、また6位かって。なんかこのチームに自分がいると勝てないのかなと思うこともありました。でも、メンバーを信じていたし、このメンバーで勝ちたいと思っていました。それにトヨタ紡織に恩返しがしたかった。チームを信じていたからこそ、すごく長く感じちゃいましたね」
今シーズンは昨シーズンの上位チームにも星を分けるなど、序盤から好スタートを切った。「最初の頃、勝ち続けて2位あたりをキープしていたときに、自分としてはその順位をキープしなきゃ、ベスト4だ、ベスト4!みたいに焦っていた気持ちがありました」と、シーズン序盤のことを振り返った東藤は、その後の自身に起きた心の変化を教えてくれた。
「(シーズンを)戦っていくうちに、そういう焦りの気持ちって必要ないなと思って。本当に力のあるメンバーたちで、役割もしっかりしている。そういう中でバスケットをもっと楽しまなきゃいけないし、このメンバーでできるバスケットを最高のものにしていきたいなって思ったときに、どんどん気持ちに変化が出てきました。だからベスト4が決まったときも、『もっと行ける』『もっといいバスケができるんだろうな』と思えたので、今は(アーリーエントリーで)朝比奈(あずさ)も入ってローテーションもより厚くなったので、このメンバーでバスケットをしていることがすごく楽しいです」

自身をはじめチームの成長もありSFの舞台へ [写真]=W LEAGUE
過去には自分がやらないといけないという思いから肩肘を張りすぎていたときもあった。だが今は、「自分がチャンスを作らなくても、チャンスを作ってくれる味方がたくさんいる」。だからこそ、「私の中では最低限であるディフェンスをまずは頑張ると思って試合に臨めています」と、気持ちの余裕もできた。
プレーオフ前には日本代表として「FIBA女子バスケットボールワールドカップ2026予選トーナメント」にも出場。得点のみならず東藤らしい堅いディフェンスも披露し、ワールドカップ出場権獲得に貢献した。世界のチームを相手に戦う日本代表での活動は「自信をつけてくれる場所や機会」だと本人は言う。
「私が1年目からベスト4という目標を掲げていて、簡単にはいかなかったその壁を乗り越えることができてうれしかったです。1シーズンずつやってきたメンバーとの歴史が築かれてこの結果になったと思うので、そのメンバーたちにもすごく感謝したいです」
現在の仲間だけでなく、これまで一緒に戦ってきたチームメートたちへの感謝を言葉にした東藤。1年目からチームの“顔”として戦ってきた背番号8は、「今までは画面越しや解説席から見ていた舞台なので、そこに立てるという感謝の気持ちを持って、楽しみたいなと思います。このメンバーでできるバスケットがプレーオフでまたどう成長していくのか、楽しみな気持ちでいっぱいです」と、自身もチームも念願だった戦いの場へ足を踏み入れる。
文=田島早苗
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