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絶好調の八村塁が大舞台で躍動も…崖っぷちのレイカーズを救うべく「自分の役割を果たすだけ」

大舞台で奮闘する八村塁 [写真]=Getty Images
ロサンゼルス在住ライター

 2連敗でホームに戻り、必勝を期して迎えたオクラホマシティ・サンダーとのウェスタン・カンファレンス・セミファイナル第3戦。ロサンゼルス・レイカーズ八村塁が、相変わらずのシュート精度でクリプトドットコム・アリーナを沸かせた。

 3ポイントシュートは8本中5本成功。今プレーオフの3ポイント成功率は58パーセントとなり、NBAプレーオフ史上最高を誇る自己通算3ポイント成功率は、第2戦を終えた時点の51.1パーセントから51.7パーセントに上昇した。今や3ポイントシュートを「外さない」ではなく「外せない」とまで言われるようになった八村は、チーム最多の21得点を挙げ、5リバウンド4アシスト1スティールとオールラウンドに活躍した。だが、チームを勝利に導くことはできなかった。

■「大舞台になるとワクワクしてくる」

3ポイントの成功率は高水準を維持 [写真]=Getty Images

 NBAという世界最高峰のプレーオフでビッグプレーを続ける八村。その理由について聞くと、「こういう大きい舞台では、自分の力が一番出てくるというのは、中学のときも高校のときも、昔から思っている。僕は大舞台が好きで、大舞台になると自分もモチベーションが上がってワクワクしてくる。そういうところで活躍して、どんどん自信がついていく」と説明した。しかし、自らの躍進について話すのはそれに留まり、「ただ、チームが今負けているので、僕としてもすごく悔しい。どれだけチームがもっとつながって次の試合に勝てるかというのを目標としてやっているので、(今は)それを意識している」と続けた。

 JJ・レディックヘッドコーチが「彼はエリートシューターとなった。今は絶好調だ」と話す八村は第3戦、マーカス・スマートからのビハインド・ザ・バック・バウンズパスを受けてスイッシュでネットを揺らし、試合最初の得点を3ポイントで決めるなど、第1クォーターだけで3本の3ポイントを完璧に沈めた。第2クォーターもカットインからオースティン・リーブスのパスを呼び込みダンク、そして同中盤には4連続成功目となる3ポイントを決め、一時は10点あった点差を3点に縮めて、サンダーにタイムアウトを強いた。

 残り3分33秒にはサンダーのアイザイア・ハーテンシュタインのパスをスティール。素早くゴールに向かったリーブスにパスを出し、ダンクを演出。その直前に八村のフリースロー2本成功で逆転したレイカーズのリードが4点となると、サンダーはまたもタイムアウトを取るなど、八村はサンダーを惑わせる立役者となった。レイカーズは、前半16得点の八村以外にも、ベンチから出場したルーク・ケナード(13得点)、リーブス(12得点)、レブロン・ジェームズ(10得点)と4選手が2ケタ得点、サンダーのシェイ・ギルジャス・アレクサンダーを第2クォーターの中盤までフィールドゴール1/9の5得点に抑え、前半を終えて59-57とリード。サンダーのマーク・デイグノートヘッドコーチも「前半は相手が素晴らしく、我々は苦戦を強いられた。彼らはショットの精度が非常に高く、3ポイントシュートの成功率は55パーセントだった。ハーフタイム時点でオフェンスリバウンドも7本を奪っていた。前半を2点差で終えられたのは幸運だった」と認める好スタートだった。

■暗転した後半戦…勝負を分けた第3クォーター

メディア対応する八村 [写真]=山脇明子

 しかし、昨年の王者の牙城は堅かった。

「試合を重ねるごとに、僕らは確実に目標に近づいているような気がする。特に昨夜の試合なんて、まさにそうだった。このシリーズを通じて、いや、プレーオフ全体を通しても、僕らにとって最高のオフェンス・ゲームだった」第3戦から一夜明けた練習後、八村は言った。

 ところが、試合はそこから暗転した。

「ただディフェンスに関しては、特に第3クォーターあたりで動きが鈍くなってしまった。前半は素晴らしい出来だっただけに、なぜ後半になって急に失速してしまったのか、あるいは単に疲れてしまったのか、その原因は分からない」

 前半、フィールドゴール成功率こそ51.1パーセント(23/45)と、同じく47.6パーセント(20/42)のレイカーズより高かったものの、3ポイント成功率は33.3パーセント(6/18)だったサンダーは、第3クォーターにおいて、フィールドゴール(FG)を22本中13本成功(59.1パーセント)、3ポイントは9本中5本成功して、その成功率は55.6パーセントだった。一方、レイカーズはFG8/22(36.4パーセント)、3ポイント成功は八村の1本のみで1/5(八村は1/3)。ターンオーバーは、サンダーが2で無失点だったのに対し、レイカーズは6ターンオーバーで14失点だった。同クォーターの開始から残り5分半までに、サンダーが21得点したのに対して、レイカーズは6点に抑えられ、13点リードを許して完全に主導権を握られた状態だった。サンダーは2年目のエイジェイ・ミッチェルが後半だけで18得点、前半無得点だった控え選手のアイザイア・ジョーが4本の3ポイントを決めて12得点し、2人だけで後半のレイカーズの49点(サンダーは74点)の半分以上を挙げた。最終スコアは108-131で、レイカーズは0勝3敗となり、もう1敗もできない状況に追い込まれた。

 第4戦を翌日に控え、「今後の課題、そして僕らの目標となるのは、前の試合の前半に見せたようなプレーを試合終了までやり抜くこと。あのパフォーマンスこそが、僕らが目指すべき基準であり、目標だ」と八村。「今回対戦しているようなタイプのチームが相手の場合、ちょっとしたミスも許されない。試合開始から終了まで、同じエネルギーを維持し続ける必要がある。それが、僕らが勝利を手にするための唯一の方法だ」と力強く語った。

 今後は「崖っぷち」という状況が加わった大舞台となる。興奮と自信と緊張感が交差する中での戦いが予想されるが、八村には分かっている。

「忠実にゲームプランを実行するだけ。練習やレギュラーシーズンで普段やっている、まさにその通りのプレーをする。この1年間、ずっとこういった練習を重ねてきた。特に自分に関しては、何をすべきかは明確に分かっている。だから自分の役割をしっかりと果たすことに集中するだけ」。

 これまでのプロセスを信じ、全うするだけだ。

文=山脇明子

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