1時間前

中部大第一の音山繋太「自分を出していきたい」…アジア杯の選考レースも視野に「打ち切る」と決意

中部大第一の音山は大型シューターとして期待される [写真]=小沼克年
フリーライター

 3月30日、味の素ナショナルトレーニングセンターで実施されたU18男子日本代表の公開練習では、ハンドラー、シューター、ブロッカーの3グループに分かれて行われた練習メニューがあった。片峯聡太ヘッドコーチによれば、「1番から4番ポジションの選手を育てる」という大きな方針がありつつも、「みんなが同じ役割の中でバスケットをするというよりも、多少役割を決めながらバスケットを展開していく」という実戦を見据えた考えによるものだという。

 その中で、シューターの役割を与えられたのは3名。髙橋歩路(開志国際高校)、中村文哉(福岡大学附属大濠高校)、音山繋太中部大学第一高校)である。

「普段、(高校の)チームでやっている練習よりも緊張感が高くて、一つ一つのプレーを考えながらやっています」と引き締まった表情で語ったのは、中部大第一から唯一今回の代表メンバーに選ばれた音山だ。

 197センチでスモールフォワードでプレーする17歳は、柔らかなシュートタッチを武器に得点を重ねる高身長スコアラー。中部大第一では得点源の1人としてコートに立ち、「所属チームではやっぱりエースというか、点を取りに行くポジションなので、ドライブでも外のシュートでも得点を狙っています」と話す。

 同校を率いる常田健コーチは、アンダーカテゴリーのチームスタッフやアシスタントコーチの経験もあり、若い世代の育成に深く携わってきた指導者だ。日頃から常田コーチのもとで鍛錬を積む音山のプレースタイルは、攻撃一辺倒からより総合的なものへと進化を遂げている。

「常田コーチは長く日本代表にも携わっているので、代表に必要なことをずっと教えていただいています。今までだったらオフェンスでシュートを決めたらOKみたいな考えがありましたけど、中部大第一に入学してからはディフェンスとリバウンドの部分を一番教えていただいていて、高校だと自分がシュートを打ったあとにすぐに走ってくるチームもいるので、今はディフェンスやディフェンスリバウンドも意識してプレーしています」

 昨年の夏には、中国・内モンゴル自治区にて開催された「第33回日・韓・中ジュニア交流競技会」の日本代表メンバーにも選出。韓国、中国との試合で得た気づきは、音山のシューターとしての意識を大きく変えた。

「中国や韓国の選手は高さがあって、シュートチェックもすごく早かったです。国内の試合では高さの部分で大体ミスマッチになるので自分のタイミングでゆっくり3ポイントを打てるんですけど、その基準が違いました。シューターというポジションを任せてもらってる以上、多少タフな状況であってもシュートを打ち切らないとダメですし、日・韓・中が終わってからは最後までしっかり打ち切ることを課題にしてきました」

 4月4日からドイツ・マンハイムで行われる「第31回アルベルト・シュヴァイツァートーナメント」は、「FIBA U18アジアカップ2026」へ向けての選考レースの要素も含んでいる。ドイツ遠征には14名で参加するが、アジアカップの舞台に立てるのは12名。音山は「自分のポジションや役割に徹して、いい意味で自分を出していきたいです。その中でも余計な自我だったり、自分の役割とは違う間違った欲みたいなのは出さずに、チームファーストで戦っていきたいと思います」と意気込みを語りつつ、その先のサバイバルも冷静に見据えていた。

「今回は14人ですけど、次のアジアカップでは12人に絞られてしまいます。アジアカップまで残れるようにしっかり意識して取り組んでいきたいです」

メディア対応する音山 [写真]=小沼克年

 日本が誇る197センチのシューターがドイツで爪痕を残し、12の枠を争うサバイバルで一歩抜け出すことができるか。どんな相手であろうとシュートを打ち切る。その覚悟はすでに固まっている。

文=小沼克年

高校男子の関連記事