2026.04.08

国内外からU19世代の有望株が集結…アディダスユーロキャンプへ向けた特別合宿が東京で開催

国内外から厳選されたU19世代が顔をそろえた [写真]=アディダス ジャパン
バスケットボールキング編集部

 NBA以外で唯一公式に認可されたドラフト前キャンプ「アディダスユーロキャンプ」への切符をかけた特別合宿が、今年も東京で幕を開けた。2026年4月4日・5日の2日間、トヨタアリーナ東京をメインに「ADIDAS NATIONS TOKYO U19 SPECIAL CAMP 2026」が開催された。アルバルク東京とSpace Ball Magのサポートのもと、国内外から厳選されたU19世代が顔をそろえ、世界への扉をかけた濃密な時間を共にした。

■「次の時代」を担う若き才能が集結

「ADIDAS NATIONS TOKYO」は、アディダスが2018年に日本独自のプロジェクトとして立ち上げたバスケットボールキャンプ。高校生年代への大会サポート、Bリーグ・アルバルク東京との国内キャンプ実施、そして海外プログラムへの選手派遣を継続してきた。過去にはキング開横浜ビー・コルセアーズ)、テーブス流河(ボストン・カレッジ/現在トランスファーポータル登録)、佐藤涼成広島ドラゴンフライズ)らが海外ツアーを経験し、それぞれのキャリアへの礎にしてきた。

 今回のキャンプには、大学2年生から高校年代まで、国内強豪校で実績を積んだ選手が集結した。

 昨年の高校バスケ界を沸かせた選手としては、ハロルド アズカ(鳥取城北高校→拓殖大学)、吉岡陽(福岡大学附属大濠高校→進学希望)、宮本耀福岡第一高校→早稲田大学)らが参加。開志国際高校、帝京長岡高校(ともに新潟県)といった名門校の選手も顔をそろえた。また、新郷礼音(St. John Bosco High School/アメリカ)、坂上史龍(212Academy/アメリカ)など海外で研鑽を積む選手も加わった。

鳥取城北高初インターハイ制覇の立役者ハロルド アズカ [写真]=吉川はる


福大大濠のウインターカップ連覇に貢献した吉岡陽 [写真]=吉川はる

 さらに海外招待選手として、フィリピンU16・U18代表のアンディ・ジェマオ(Royal Crown School/カナダ)、中国U16代表の周占峰(Williston Northampton School/アメリカ)が参加し、文字どおり「アジアの若き才能」が一堂に会するキャンプとなった。

 ゲストメインコーチには、アディダスユーロキャンプのコーチングディレクターを務めるビル・ベイノ氏を招聘。1985年から大学コーチを務め、ポートランド・トレイルブレイザーズ、トロント・ラプターズ、インディアナ・ペイサーズなどNBA6球団でアシスタントコーチを歴任した名将のもと、2日間のセッションは通訳がサポートをしたもののすべて英語で行われ、環境面でも国際化を意図したものになった。

■スキルトレーニングからオールスター戦へ

 4日のDAY1はトヨタアリーナ東京サブアリーナを会場に、ウォームアップコンテンツを皮切りにスキルトレーニング、インタラクティブコンテンツ、ピックアップゲームを実施。ベイノ氏のメニューはピックアンドロールの分解ドリルやシュートフォームの確認などの基本的なものから始まり、それまで練習したものをオールコートを使った5対0で実践した。選手たちは積極的に汗を流し、ベイノ氏は特に練習をストップして、細かい点をチェック、指摘、修正を重ねる丁寧な指導を見せた。また、NBAでの経験をもとに「NBAで成功してきた選手はコーチの話を熱心に聞き漏らさなかった」とアドバイス。選手たちは元気にトレーニングに励んでいたが、一定の緊張感のなか、メニューは進んでいった。夜はアディダスジャパン本社に移動し、ディナー&インタビューが行われた。

A東京のテーブス海が参加者にエールを送った [写真]=アディダス ジャパン

 5日のDAY2は、午前中に行われた特別コンテンツにてアルバルク東京伊藤大司GMと長崎ヴェルカの中山佑介ディレクター・オブ・スポーツパフォーマンス(DOSP)の座学が実施された(中山DOSPはリモートで実施)。自分の可能性を信じること、「YOU GOT THIS | 大丈夫、いける。」をテーマに語られ、伊藤GMは高校から渡米した経験を踏まえながら、目標を立てること、それを達成することの大切さを指南。中山DOSPはいかに目標に向かって進んでいくことが大切かを説いた。

2日目はTATのメインアリーナでオールスター戦を実施 [写真]=アディダス ジャパン

 午後にはアルバルク東京のホームゲームを観戦。そしてメインコンテンツとなる「オールスターゲーム」がトヨタアリーナ東京メインアリーナで開催。選手たちは「TEAM AE2(BLUE)」と「TEAM HARDEN10(RED)」の2チームに分かれ、Bリーグのステージで戦いを繰り広げた。キャンプを締めくくるにふさわしい晴れ舞台で、各選手が2日間で磨いた技術と積み上げたチームケミストリーを存分に披露した。

■選手たちが語る「収穫」と「世界への夢」

宮本耀(福岡第一高→早稲田大)
 2年連続の参加となった宮本は、昨年と異なる視点でキャンプに臨んだ。「去年は年齢が下で先輩が多かったけど、今年は後輩たちに少しでも教えられるものがあるんじゃないかという気持ちで来ました。フレッシュな気持ちは忘れずに」。コートでは声出しとコミュニケーションでチームを牽引しようと試みたが、「チームを勝たせることができなかった。ポイントガードとして、もっとゲームをコントロールしてチームメートの力を引き出せるようにならないといけない」と課題も率直に語った。英語については「英検2級を取ったりと努力はしてきたつもりだけど、海外でプレーしている選手との差はまだある」と刺激を受けた様子。ベイノ氏ら特別コーチ陣の“場の楽しみ方”にも感化され、「練習中にジョークを言ったりふざけたりする。そういう雰囲気をもっと自分も出していきたい」と笑顔を見せた。

新大学1年生の宮本耀は2回目の参加 [写真]=吉川はる

新郷礼音(St. John Bosco High School)
 日本では大学1年相当だが、ロサンゼルスの強豪校では5月まで高3として在籍する新郷。チームのハイレベルな環境のなかでウイングとして役割をこなし、今回は久々にポイントガードを務めた。「キャンプではポイントガード、久しぶりです。でもやっぱりポイントガードのほうが楽しい」。目標とする選手にはシェイ・ギルジャス・アレクサンダー(オクラホマシティ・サンダー)を挙げ、「周りを見ながら自分でも攻められる選手を目指している」と語った。今後はアメリカのカレッジ進学を視野に入れており、「フィジカルと練習の強度をもっと突き詰めたい」と意欲を口にした。

高い運動能力を発揮した新郷礼音 [写真]=吉川はる

坂上史龍(212Academy)
 坂上は熊本県に生まれ、兵庫県の三田西陵高校高3の11月から渡米、現地のアカデミーで腕を磨く201センチの長身ガードだ。小学1年生のときにNBAに出会って以来、常にその舞台を目標に掲げ、高校でようやく念願のアメリカ留学を果たしたという。大学はD1を目標に置き、さらなるステップとしてユーロキャンプへの選出も視野に入れる。「ビルコーチがすごいコネクションを持っているので、積極的に話しかけて自分を知ってもらいたい。まずはイタリアのユーロキャンプを目指したい」と積極的な態度な印象的だった。ロールモデルにはジョシュ・ギディー(シカゴ・ブルズ)を挙げ、「何でもできるタイプの選手になりたい」という言葉は、身長とパスセンスを武器にポイントガードへの転向も見据えた将来像を示していた。

201センチの坂上史龍はPGを目指す [写真]=吉川はる

ハウエット凪音(Boogie’s Basketball U18)
 ハウエット凪音は昨秋にAZコンパス・プレップ(アメリカ)へ渡るも、11月に負傷し12月に帰国。悔しい経験を乗り越えてこのキャンプに臨んだ。「アメリカでほかの選手にはできない経験をさせてもらった。その分を全部ここに持ってくる気持ちで来た」。ベイノ氏からのピックアンドロールの指導が特に印象に残ったという。「ダブルチームが来たときに一度引いてスペースを作る動き。それが本当にためになった」。9月には再渡米し、もう1年高3として再挑戦する。「D1の大学でプレーすることが今の目標。次のステップのために、もう一度チャレンジします」。

再度アメリカ朝鮮予定のハウエット凪音 [写真]=吉川はる

鵜池太郎(Uplay Canada)
 福岡県出身の鵜池太郎は、中1から家族の都合でトロントに移住し、以来カナダで育った“在外日本人ガード”だ。「このキャンプの存在は知っていて、Space Ball Magに直接DMして参加させてもらった」という行動力が印象的だ。日本のトップ選手と競い合う初めての機会に、「通用したところも、しなかったところもあった。特に宮本選手は速くて最初は全然ついていけなかった」と正直に振り返りつつも「いい経験になった。次に対戦したときはもっとアピールできるようにしたい」と前向きだ。鵜池は185センチと現地では決して大きくはなく、コンボガードとしてプレー。目標はクリス・ポール(元ロサンゼルス・クリッパーズ)や河村勇輝(ブルズ)を参考にプレースタイルを構築中。「とにかく日本でも海外でも、トップのレベルでやり続けたい」と目を輝かせた。

カナダ・トロント在住の鵜池太郎は自らDMを送り、高いレベルのキャンプにやってきた [写真]=吉川はる


文=入江美紀雄

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