2026.09.25
「何て言うんだろう…。自分の中でリズムをつかみきれなかったというのがあるし、役割はやっぱり変わるので、そこに自分もしっかり対応しなければいけなかったかなって思います」
ドイツ・ベルリンで行われている「FIBA女子バスケットボールワールドカップ2026」。9月8日の準々決勝進出決定戦でハンガリー代表に敗れた後、山本麻衣は時折目の周りを赤くしながら、言葉を絞り出した。
日本史上5人目のWNBAデビューを果たし、現在は昨シーズン覇者のラスベガス・エーシズに所属する山本。エーシズで経験を積む山本は今大会を前に、「気持ちの面で違いますね。WNBAで経験をしているからこそ自信もあるし、(これまでとは)違う気持ちで(大会に)入れるかなと思います」と手応えを口にし、アメリカからドイツへ直接合流した。

[写真]=fiba.basketball
しかし今大会、FIBA(国際バスケットボール連盟)からも注目選手の一人として取り上げられていた山本に対し、対戦相手の警戒も厳しかった。3月の「FIBA女子ワールドカップ2026予選トーナメント」では5試合で1試合平均15.0得点、3.8アシストを記録したが、今回のワールドカップでは4試合で同8.0得点、1.8アシスト。持ち味を存分に発揮するまでには至らなかった。

[写真]=fiba.basketball
山本以前にWNBAでプレーした日本人選手の中では、大神雄子(トヨタ自動車アンテロープスヘッドコーチ)と渡嘉敷来夢(トヨタ自動車)が、WNBAのシーズン中に日本代表として国際大会へ出場した経験を持つ。
大神は2008年、スペインで開催された北京オリンピック最終予選に合流し、本来のパフォーマンスを発揮し切れず苦しんだ。同様に渡嘉敷も2015年、「FIBA ASIA女子選手権大会(2016年リオデジャネイロオリンピック アジア地区予選)」に向けて活動中だった日本代表に途中合流。本大会では優勝に貢献して大会MVPも獲得したが、大会序盤はチームにフィットするまで多少の時間を要した。
今回の苦い経験も、見方を変えればWNBAプレーヤーになったからこそ得たものと言えるのかもしれない。
「ポジティブに考えれば、また次の違うレベルに行ったのかなと思うので、もがきながらもレベルアップしたいなって思います」

[写真]=fiba.basketball
「そんなに甘くないなというのは本当に痛感していますし、(ワールドカップは)またレベルの違う大会だなとも思います。世界に負けないようにまた努力していきたいなと思います」
人一倍の負けず嫌い。どんなときも心を強く持ち、努力を重ねる。だからこそ、山本は今大会で流した悔し涙を、必ずやプラスに変えるはずだ。
文=田島早苗
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