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山本麻衣「そんなに甘くないなと痛感」WNBAから日本代表合流も…最後までつかめなかった“自分のリズム”

ハンガリー戦では18分出場し9得点を上げていた山本[写真]=fiba.basketball
フリーライター

■注目を集めたW杯…最後までつかめなかった自分のリズム

「何て言うんだろう…。自分の中でリズムをつかみきれなかったというのがあるし、役割はやっぱり変わるので、そこに自分もしっかり対応しなければいけなかったかなって思います」

 ドイツ・ベルリンで行われている「FIBA女子バスケットボールワールドカップ2026」。9月8日の準々決勝進出決定戦でハンガリー代表に敗れた後、山本麻衣は時折目の周りを赤くしながら、言葉を絞り出した。

 日本史上5人目のWNBAデビューを果たし、現在は昨シーズン覇者のラスベガス・エーシズに所属する山本。エーシズで経験を積む山本は今大会を前に、「気持ちの面で違いますね。WNBAで経験をしているからこそ自信もあるし、(これまでとは)違う気持ちで(大会に)入れるかなと思います」と手応えを口にし、アメリカからドイツへ直接合流した。

[写真]=fiba.basketball


 また、渡米前には女子日本代表候補の一員として強化合宿にも参加していたことから、「コーリー(ゲインズ・ヘッドコーチ)のバスケットは大きく変わってないです。そこに細かいことが追加されたという感じなので、アジャストはできているかなと思います」とコメント。WNBA参戦中に日本代表の活動を離れていたことについても、大きな影響はないとの認識を示していた。

 しかし今大会、FIBA(国際バスケットボール連盟)からも注目選手の一人として取り上げられていた山本に対し、対戦相手の警戒も厳しかった。3月の「FIBA女子ワールドカップ2026予選トーナメント」では5試合で1試合平均15.0得点、3.8アシストを記録したが、今回のワールドカップでは4試合で同8.0得点、1.8アシスト。持ち味を存分に発揮するまでには至らなかった。

■苦い経験も糧に「もがきながらもレベルアップしたい」

[写真]=fiba.basketball


 冒頭のコメントのとおり、WNBAのスター選手が多くそろうエーシズと日本代表とでは、課せられている役割も、チームとしてのプレースタイルも異なる。ただ、それは山本自身も承知していた。そのうえで、「マインドの部分だったり、そういうところも全部変えてやらなくてはいけなかった。自分の仕事は明確でしたが、そこの部分が少し難しかったかなと思います」と、今大会を振り返った。

 山本以前にWNBAでプレーした日本人選手の中では、大神雄子(トヨタ自動車アンテロープスヘッドコーチ)と渡嘉敷来夢(トヨタ自動車)が、WNBAのシーズン中に日本代表として国際大会へ出場した経験を持つ。

 大神は2008年、スペインで開催された北京オリンピック最終予選に合流し、本来のパフォーマンスを発揮し切れず苦しんだ。同様に渡嘉敷も2015年、「FIBA ASIA女子選手権大会(2016年リオデジャネイロオリンピック アジア地区予選)」に向けて活動中だった日本代表に途中合流。本大会では優勝に貢献して大会MVPも獲得したが、大会序盤はチームにフィットするまで多少の時間を要した。

 今回の苦い経験も、見方を変えればWNBAプレーヤーになったからこそ得たものと言えるのかもしれない。

「ポジティブに考えれば、また次の違うレベルに行ったのかなと思うので、もがきながらもレベルアップしたいなって思います」

[写真]=fiba.basketball


 そう語る表情を見れば、その悔しさや、自身への腹立たしさが伝わってくる。そんな山本に、今回のワールドカップはどのような大会になったかと問うと、こう返ってきた。

「そんなに甘くないなというのは本当に痛感していますし、(ワールドカップは)またレベルの違う大会だなとも思います。世界に負けないようにまた努力していきたいなと思います」

 人一倍の負けず嫌い。どんなときも心を強く持ち、努力を重ねる。だからこそ、山本は今大会で流した悔し涙を、必ずやプラスに変えるはずだ。

文=田島早苗

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