2021.05.29

悲願の優勝に王手も、千葉に油断の色なし「あと一つ勝たなければ、何の意味もない」

注目の第2戦は30日15時ティップ[写真]=B.LEAGUE
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 5月29日、千葉ジェッツ宇都宮ブレックスとの「日本生命 B.LEAGUE FINALS 2020-21」の第1戦に臨み、85-65で勝利を収めた。快勝を収めた千葉は、これでリーグ優勝に王手をかけることとなった。

 試合後の記者会見に出席した大野篤史ヘッドコーチは勝利の要因として、「40分間ハードワークし続けた」ことを挙げた。また、この試合で13得点と躍動した富樫勇樹は「準備が短いなかで、レギュラーシーズン、チャンピオンシップと積み上げてきたものを出せた」と日程的不利を覆しての勝利に手ごたを感じている様子を伺わせた。

 前半の拮抗した試合展開から、第3クォーターで一気にリードを広げた千葉。特にギャビン・エドワーズのオフェンスリバウンドは、試合の主導権を握る一因となった。エドワーズ本人は。宇都宮に対して高さのアドバンテージがあると言及しつつ、「前半にあまりシュートが決まらなかったので、後半はリバウンドをしっかり頑張って、スコアのチャンスをしっかり生かそうした」と後半から一層リバウンドにフォーカスしていたことを明かした。

 富樫はエドワーズやセバスチャン・サイズといったビッグマンから、「ミスマッチだから外してもリバウンドを取れる。思いっきり打て」と声を掛けられていたようで、「そういうところで後半はシュートが決まってきたかと思う」と試合を振り返った。「また明日もそうした声をお互い掛け合って、何がなんでも勝利して優勝したい」と意気込みを述べた。

 また、ビッグマンに限らずリバウンドへの意識はチーム全体で持っていたようで、原修太は後半から一気にリードを広げられた理由として「選手全員がディフェンスとリバウンドにフォーカスして、1回ディフェンスやオフェンスがダメだった時に、崩れないで粘れたのが要因かと思う」と話した。

過去の敗戦が生きた第3クォーター

富樫は油断することなく次戦に切り替えている[写真]=B.LEAGUE


 富樫曰く、このように第3クォーターの入りがいいのはシーズン中の苦い経験が生きているからこそとのこと。

「第3クォーターの出だしで10点や15点開いていたリードを同点に戻されるというゲームが今シーズンは数回あるなかで、もう自然と第3クォーターの出だしは選手がお互い声を掛け合って、ソフトに入らないように心掛けているので、そういうところが出たかなと思います」

 試合前に大野HCが選手たちに掛けた「1年間ここに立つために犠牲にしてきたこと、努力してきたこと、そのすべてを出さなければいけない」という言葉を見事に体現し、快勝を手にした千葉。30日の第2戦に勝てば悲願の初優勝となるが、第1戦の勝利に油断している様子は微塵も見せず、大野HCが「あと一つ勝たなければ、この一勝は何の意味も持たない」と話せば、富樫も同じ言葉を繰り返しつつ「しっかり明日に向けて準備したい」とすでに次戦に照準を合わせていた。

「宇都宮さんは本当に修正力が高いチーム」(原)と相手のリベンジにも警戒を示した千葉。はたして明日の試合に勝利して優勝を決められるのか、あるいは栄冠の行方は第3戦までもつれ込むこととなるのか。注目の第2戦は30日の15時ティップオフ予定となっている。

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