2022.07.22
NBA JAPANの公式ツイッターで20日、『NBA KAIWA』が行われ、 田臥勇太(宇都宮ブレックス)が登壇。MCを務める佐々木クリス氏とともにトークを繰り広げた。
初めにトークテーマに挙がったのは、激戦が繰り広げられた今シーズンのNBAプレーオフについて。今シーズンはゴールデンステイト・ウォリアーズがボストン・セルティックスを破って4年ぶりのNBA制覇を成し遂げたが、田臥は「選手とコーチングスタッフの一体感が、強い時のウォリアーズだった。コーチが選手を信頼して託して、選手がそれに応えようとする。うまく歯車が噛み合ったと思います」と評価した。
また、ファイナルMVPに輝いたステフィン・カリーについては「パフォーマンス自体はすごいの一言」と絶賛。「これまでMVPを獲ってもおかしくない働きはしていたけれど、今回は周りのサポートがあって彼がチームを引っ張った。完全なMVPですね」と舌を巻いた。
カリーはファイナルで平均31.2得点、3ポイントシュート成功率43.7パーセントと圧巻の活躍を披露したものの、第5戦では3ポイントが1本も決まらず。それでも第6戦で奮起して34得点を記録したが、田臥は「彼の外れても打ち続けるメンタリティーは、すべてのバスケット選手が学ぶべき。ブレないし、チームメートも彼をサポートする。すごいメンタルだと思います」と語った。
「朝はNBAをつけて見るのがスタート」と語るほど頻繁にNBAを観戦するという田臥。ファンからの「好きなNBAの現役選手ベスト5は?」という質問には「渡邊雄太(トロント・ラプターズ)と八村塁(ワシントン・ウィザーズ)は応援しているので大好きな選手」としたうえで、「ゲイリー・ペイトン2世とジョーダン・プール(ともにウォリアーズ)は見ていておもしろい、存在感や振る舞い方が面白いですね」とコメント。「あとはジェイレン・ブラウン(セルティックス)。とにかくうまい。なんでもできる選手はどこに行っても重宝されると思います」と話した。
さらに、「今年のプレーオフで印象に残ったことは?」という質問に対しては、「細かいことだけど、元チームメートや対戦したことのある選手がコーチになっている。フェニックス・サンズで仲良くしてくれた(リアンドロ)バルボサはウォリアーズでコーチングスタッフに入っていて。彼がカリーとワークアウトしているのを見るのが好きだし、タイムアウトの時も彼は笑顔で楽しそうにやっている。そういうのを見て『変わらないな』と思っています」と懐かしんだ。
田臥は2004年にサンズで日本出身選手として初の公式戦出場を果たした。デビュー戦となったアトランタ・ホークス戦では10分の出場で7得点1アシストを記録したが、その時のエピソードについて以下のように語った。
「あの試合では第4クォーターに入って点差がついたので、あれくらいついたら(出場が)あるかなと思って準備していました。あの時一緒に出たメンバーとは一緒にワークアウトをしていたので、頑張っているメンバーで戦おうというメンタルでしたね」
鮮烈なデビューを果たし、結局サンズでは4試合に出場した田臥。数々のNBA選手と対峙してきたが、なかでも印象に残っている選手を2名挙げた。
「衝撃だったのは当時デンバー・ナゲッツに所属していたアール・ボイキンス。僕より身長が低いのに跳んだらリングをつかむし、シュートは外さない。小さくてもできるという勇気を与えてくれた」
「スティーブ・ナッシュは何をしてくるか分からなかった。プレーしながらの目線のやりどころがマッチアップしていてすごい勉強になった。相手に分からせてはいけないんだな、と」
トーク終盤、話題はBリーグに。田臥が所属する宇都宮はワイルドカード上位でチャンピオンシップへ出場し、クォーターファイナルで前年王者の千葉ジェッツ、セミファイナルでは川崎ブレイブサンダースを破って2年連続でファイナルへ進出。琉球ゴールデンキングスとの最終決戦では2連勝を果たし、Bリーグ初年度以来となる優勝を成し遂げた。
田臥は「今年はコアとなる外国籍選手が変わり、変化のあるなかスタートした。序盤は探りながらやって、中盤から終盤にかけて成長を実感し、チャンスが見えてきた。チーム全体で強くなろうという思いを持ち続けて進んだシーズンだった」と回想。そして、「CSでは若い選手が躍動し、エースがエースらしく活躍した。新型コロナなど大変な状況でいろいろあったが、そのぶん意味の大きい優勝だと思う」と振り返った。
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