2023.05.11

【チャンピオンシップ出場チーム紹介⑥】横浜ビー・コルセアーズ(中地区2位)

今シーズン大躍進を果たした横浜BC[写真]=B.LEAGUE
スポーツライター。前英字紙ジャパンタイムズスポーツ記者。Bリーグ、男女日本代表を主にカバーし、2006年世界選手権、2019ワールドカップ等国際大会、また米NCAAトーナメントも取材。他競技ではWBCやNFLスーパーボウル等の国際大会の取材経験もある。

 レギュラーシーズン上位8チームによる「日本生命 B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2022-23」がいよいよ幕を開ける。出場チーム紹介第6回目は、今シーズン躍進を遂げてCS初出場の権利を勝ち取った横浜ビー・コルセアーズをピックアップする。

文=永塚和志

 Bリーグ初年度から3年連続で降格の危機にあり、そのたびになんとか生き残ってきたチームが今シーズン覚醒し、初のCSへの切符を勝ち取った。

 躍進の要因はなんといっても河村勇輝の大成長にある。昨夏から日本代表の常連となり、アシストのみならず得点への意識を大きく強め、リーグトップクラスのスコアラーとなったことで、相手が守りにくくさせた。また、河村やチャールズ・ジャクソン森川正明らのリーダーシップもあって、選手たちが自分たちだけで問題をその都度解決するといった意識改革も成績向上の理由となった。

 数字がチームの変化を物語る。B1 5位の12.5本のオフェンスリバウンドからのセカンドチャンスの得点やファストブレークなどで、同7位の平均82.2点をマークしている。以前はシューターが少ない印象だったが、河村や森川、須藤昴矢、キング開らがどんどん打っていくようになり、チームとしての3ポイントの試投数は平均27.6本と同5位を記録した。また、7.2本の平均スティール(B1 5位)と3本の平均ブロック(同1位)はアグレッシブなディフェンスの成果を示している。

 シーズン序盤は苦戦も、試合を重ねるごとに粘り強いディフェンスから河村らの縦に走る速さを生かしたスタイルを定着させていった。劣勢から後半に追い上げる試合が何度もあったのは、これまでになかったことだ。

 CSで重要となってくるのは、ファウルトラブルに陥らないこと。若いチームであるためメンタルミステイクをしてしまった試合も何度かあったが、激しい、フィジカルなディフェンスをする中で、状況を冷静に見極めながら守ることが肝要となってくる。

■KEY PLAYER/SF・PF #15 デビン・オリバー

オールラウンドな活躍でチームを支えるオリバー[写真]=B.LEAGUE


 同じ外国籍選手でもジャクソンの影に隠れがちだが、いまやチームの核の1人だ。スモールフォワードとパワーフォワードの両方でプレーできるが、ドリブルやシュートのスキルが高くどちらかというとスモールフォワードよりの選手ではあるものの、ビッグマンをディフェンスすることも多い。

 オフェンスではインサイドでもアウトサイドでもプレーできるため、相手に対してミスマッチを生み出すことができる。シーズン終盤から3ポイントのタッチがよくなっており、4月以降は3本以上を決めた試合が4試合あったのはプレーオフへ向けて好材料だ。

 献身性も高く、味方にスクリーンをかけもする。また、プレーが止まっている際にはコート上で味方を呼び寄せてコミュニケーションを積極的に取るなど、リーダーシップも際立つ。人柄もよく、今シーズンからの加入ながらチームによく溶け込んでいるのがわかる。

■クォーターファイナル(vs川崎ブレイブサンダース@川崎市とどろきアリーナ)
第1戦:5月13日(土)16:05開始
第2戦:5月14日(日)16:05開始
第3戦:5月15日(月)19:05開始※結果により開催されない可能性あり

■ロスター
・横浜BC(HC:青木勇人)
パトリック・アウダ
河村勇輝
赤穂雷太
森川正明
チャールズ・ジャクソン
大庭岳輝
デビン・オリバー
森井健太
キング開
松崎裕樹
須藤昂矢
エドワード・モリス

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