2023.10.25

広島ドラゴンフライズ、白熱のホーム開幕節で最多入場者数更新…今季引退の朝山正悟とつなぐ「広島の色」

ファンやブースターの思いを背負って、現役最後のシーズンを戦う朝山正悟 [写真]=B.LEAGUE
広島のスポーツライター

「ホームで多くのお客さんの前でプレーできることを大きな力に変えたい。皆さんに少しでも盛り上がって、興奮して、楽しんでもらえるようなバスケットをお見せできるように頑張りたい」

 ホーム開幕戦を前に、10月19日の練習後に広島ドラゴンフライズ朝山正悟は笑顔でそう話した。今シーズン限りでの現役引退を表明した朝山にとってファンやブースターは「家族」だという。「自分のことのように盛り上がって、悲しんで怒ってくれる。そうした皆さんの思いがあるからこそ、今のクラブの成長がある。だから自分たちにとって大事なホーム開幕戦でもしっかりと戦いたい」

 広島は2023-24シーズン B1リーグ第3節で本拠地の広島サンプラザホールに宇都宮ブレックスを迎え、ホーム開幕2連戦に臨んだ。21日の第1戦は立ち上がりに守備からリズムをつかんでリードを得たが、宇都宮の猛追を受けて最後まで緊迫した展開となり、83-81で接戦を制してホーム初戦を白星で飾った。

 22日の第2戦では、逆に試合の入りから宇都宮の固い守備と勢いにのまれて25-39の14点ビハインドで試合を折り返す。寺嶋良は試合後、「昨日うまくいった点をすべて消されて、そこからどうやって組み立てるかというところで時間がかかった。攻撃が単発になり、ボールムーブが少なかったので流れをつかめなかった」と前半の課題を口にした。

 それでも後半からは巻き返しを図り、第3クォーターで45-52の7点差に詰めると、第4クォーターでは一時5点差にまで迫る。ホームの声援も受けたが、最後は宇都宮に突き放されて60-71で敗れた。カイル・ミリングヘッドコーチは試合後の会見で、「リバウンドを取られ、ターンオーバーが目立ったが、後半に選手たちが相手の強度に反応してくれたのは良かった。この敗戦から学んで次に向けて準備していきたい」と振り返った。

 敗戦の中でも、第1戦で0得点に終わっていたケリー・ブラックシアー・ジュニアが第2戦では今シーズン初先発で15得点11アシストと奮起。「しっかり切り替えて今日の試合に臨んだ。自分の積極的なプレーやエナジーがチームを動かしたと思う」と胸を張りつつ、「個人的にまだまだ改善しないといけない。しっかり修正して、チームとしてまた勝ちを目指したい」と気を引き締めた。

強豪宇都宮から価値ある1勝を獲得 [写真]=B.LEAGUE

 ホーム2連戦は1勝1敗で終わったが、広島はどちらも粘り強い戦いで白熱したゲームをブースターに届けた。第1戦の接戦は4492人が見守り、第2戦はクラブのレギュラーシーズン最多入場者数を更新する4682人が入った。「B.LEAGUE PREMIER」参入条件の1つであるホーム1試合平均4000人以上の目標に向けても好スタートとなった。

 寺嶋は「苦しいときでも背中を押してくれるし、本当に助けてくれるので、ありがたい存在です」とブースターに感謝。ブラックシアー・ジュニアも「ホームゲームは選手全員が楽しみにしているし、ファンの声援が力になった。特に後半は声援が後押しになっていい出だしになった」と応援を大きな力に変えた。

 このホーム2連戦で朝山は出番が少なかったが、ベンチで味方のプレーに誰よりも早くリアクションをとってチームを鼓舞し続けた。もちろんコートに立てば変わらぬ姿勢を貫く。「常にいい準備をして、どんな状況でも自分は戦う姿を見せたい。それはルーキーシーズンから毎年ずっとやってきたことなので、その姿は引き続き見せていきたい」と19日の練習後に話していた。長年にわたってクラブを引っ張ってきたレジェンドはラストシーズンでも未来を見据えて戦う。

「このクラブはいろいろな人の思いやつながりで今がある。これからもっと成長して先に進めば、またさらにいろんな人たちの思いがつながっていく。そういった人のつながりや思いを大切にできるクラブであり続けてほしいし、それが広島ならではの色だと思う。もっと広島の人たちに応援されて、愛されるチームになっていくためには、コートの中で走り回る選手たちが、その人たちの思いをしっかりとつなげて、表現できるようなクラブになっていきたい」

 熱い声援でチームの背中を押すブースター、今シーズン限りで引退する朝山正悟、Bプレミア参入を目指すクラブ。様々な思いが絡み合う今シーズン、勝利のために全力で戦う姿が「広島の色」を未来につなげる。

6試合を終えて2勝4敗だが、長いシーズンは始まったばかり [写真]=B.LEAGUE

取材・文=湊昂大

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