2025.12.01

日本代表・渡邊雄太、敵将からの“ダーティー”評は「褒め言葉」…枯れた声で語った覚悟と手応え

渡邊雄太の落ち着いた振る舞いをトム・ホーバズHCが称賛[写真]=吉田孝光
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 11月30日、翌日に控えた『FIBAバスケットボールワールドカップ2027アジア地区予選Window1』第2戦に向けて、日本代表(FIBAランキング21位)が試合会場で前日練習を行った。練習後、渡邊雄太が囲み取材に応じた。
 
 28日のチャイニーズ・タイペイ戦(同83位)では攻守に圧倒的な存在感を見せ、90-64での快勝に貢献した渡邊。この日の取材には、さらにハスキーになった声で対応した。「みんなと話すためだけにこれだけ声が枯れてしまったので、そこはまた反省しなきゃいけないんですけど……」と苦笑しつつ、「やはり自分の責任だと思っています。声が枯れるまでしっかりと明日のためにも声を出していこうと思います」と、リーダーとしての覚悟をのぞかせた。

 第1戦のあと、トム・ホーバスヘッドコーチからはプレーのスタッツだけでなく、その落ち着き払った振る舞いを称賛されたという。「コート上でのインパクトや、フロアバランスを考えながらプレーしたことに対して褒めてもらえた。スタッツ以外の部分で、自分が一番大事にしているところを評価してもらえたのは素直にうれしいです」と、ベテランとしての役割に手応えを感じている。

 また、第1戦の日本の激しいディフェンスに対し、チャイニーズ・タイペイのコーチが「ダーティー(汚い)」と表現したことについて問われると、渡邊は「僕たちからすれば、それだけ自分たちのディフェンスを脅威だと思ってくれた証拠。素直に『褒め言葉』として受け取ればいい」と笑顔で一蹴。「コーチの表現がどうであれ、僕たちのディフェンスを脅威に感じてくれたということ。そこはポジティブに捉えています」と自信を見せた。

 今回のチームは、アジアカップで課題となったオフェンスの停滞を解消すべく、原点回帰とも言えるシンプルなバスケットを展開している。「今は迷いなく、みんなが気持ちよくプレーできている。コート上で何をしなきゃいけないのかが明確になっている」と語り、チーム全体で共有している意識について次のように続けた。

「『ノーラグ(No Lag)』という言葉を意識しています。ボールを持っている時も持っていない時も、とにかくフロアバランスを意識しながら素早く次の行動に移す。そこはチーム全体として悪くなかったと思うので、修正すべき点は修正して明日の試合に備えたいです」

 12月1日のチャイニーズ・タイペイ戦は日本時間20時00分ティップオフ予定。試合の模様はBS朝日で生放送、ABEMA・DAZN・TVerでライブ配信される。

取材協力=小永吉陽子

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