2026.09.05
「FIBA女子ワールドカップ2026」が9月4日、ドイツのベルリンにて開幕し、日本は初戦でマリと対戦した。
試合は序盤から追う展開となり、途中でマリを捉えるも引き離すことができない。ビハインドの時間が続くなか、勝負の行方は終盤までもつれたが、最後は大会新記録となる20本の3ポイントシュートを沈めた日本が102-97とハイスコアゲームを制した。
この試合、マリは試合序盤から強みであるインサイドを武器に攻撃を仕掛けてきた。これに手をこまねいた日本はリバウンドでも優位に立たれてしまう。
そのマリのインサイドの中心を担ったのが190センチのシカ・コネだ。WNBAのアトランタ・ドリームでプレーするパワーフォワードは前半を終えて17得点6リバウンドとオフェンスを引っ張っていた。
事実、日本はこのコネに対応しきれずにいた。しかし後半はコネの得点を4得点に抑えることに成功する。これはマリのオフェンスに対してゾーンディフェンスを仕掛けるなど、チームとしてディフェンスを修正したことがプラスに作用したのだが、マッチアップした渡嘉敷来夢(トヨタ自動車アンテロープス)の存在も大きかったと言える。

マッチアップしたエースの守り方をアジャストしていった [写真]=fiba.basketball
「前半は『どうなるんだ自分』と思ったのですが、自分自身の持ち味のディフェンスを後半に取り戻すことができたので、今日のディフェンスは特に後半はよかったのかなと思います」と、渡嘉敷。さらに「個人的にアジャストした」と、前半から後半のディフェンスでの変化を以下のように教えてくれた。
「距離感を変えました、コネ選手に対して。彼女は割と(ディフェンスとの)距離が近いと一歩でグッと入ってくるので、それに少し遅れてしまうと自分のファウルになってしまうんです。これは独学と言うか経験だとは思うのですが、リツさん(高田真希/デンソーアイリス)も同じようなタイプで(笑)。そういう感じでうまくアジャストができたかなと思います。ちょっと距離を開けながら、ドリブルしたらこっちも当たりにいけるし、(ドリブルの)コースに入れば相手は嫌がるので、それがうまく自分のなかでできたかなと思います」
高田は、桜花学園高校(愛知県)の2学年上の先輩で日本代表では頼もしいチームメート。かたやWリーグでは対戦相手としてマッチアップで火花を散らす仲だ。そんな日ごろからの切磋琢磨がまさに本人の言葉どおり、『経験』として世界大会でも生きたのだろう。
この試合、22分6秒をコートに立っていた渡嘉敷。これは日本チームでは3番目に長い出場時間となる。コーリー・ゲインズヘッドコーチが指揮官となった女子日本代表では「こんな長く出たことない」と語った。だが、「きつかったですが、『まだいけるか』と言われて、『いや、自分が行かなきゃ誰が行くんだ』と思って体を張りました」と、ミックスゾーンではなかなか引かない汗を流しながら力強くそう言葉を発した。
ディフェンスだけではない、試合時間残り3分53秒、わずか2点リードと緊迫した場面では3ポイントシュートも射抜いて見せた。
「今は3ポイントシュートはそこまで期待されているわけではないのですが、いつも練習はしています。打った瞬間は、もうこれ入ったなと言う感覚があったし、このままでは終われないと言う気持ちだったので、入ってよかったです」と、笑顔を見せた。
「勝てたことはよかったですし、ずっと追いかける展開の苦しいなかで40分間戦えたのはプラスですが、もっとミスを減らして、ディフェンスも出だしからハードにいきたいと思います。明日も体を張ります」
オリンピックやWNBAをはじめ、国際大会でたくさんの経験を積んできたベテラン。数字には表れないところで、その経験に裏打ちされたプレーで勝利を引き寄せた。
文=田島早苗
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