西原が2年ぶりに初戦を突破。昨年の悔しさを晴らし「姉を超える」

「SoftBankウインターカップ2020 令和2年度第73回全国高等学校バスケットボール選手権大会」が12月23日に開幕。武蔵野の森スポーツプラザで行われた第1試合に臨んだのは西原高校（沖縄）だ。

　3年連続9回目出場の西原にとって前回大会は悔いの残るものだった。去年のインターハイでは沖縄県勢として23年ぶりのベスト8進出を果たした。その勢いに乗りベスト8、さらにそれを上回る結果を目指して臨んだのだが、結果は千葉経済大学附属高校（千葉）に57－70と、自分たちの持ち味を発揮できず1回戦敗退。それだけに今回にかける思いはひとしおだったといえる。

　臨んだ1回戦、対戦した米子南高校（島根）もサイズこそないものの、体を張ったディフェンスと粘り強い攻撃で西原にペースをつかませなかった。43－42と米子南は1点リードで前半を折り返すと、第3クォーターには6点ものリードを西原から奪う場面もあった。

　しかし、この日の西原はここから粘った。この苦しい場面でオールコートのディフェンスを敷きプレッシャーをかけ続ける。米子南は当初、そのディフェンスを速攻で切り返してペースを与えなかったが、第4クォーターに入ると次第に速攻の足止まるようになっていった。西原はすかさず相手のミスを逃さず連続得点で逆転。そのまま逃げ切り103－90で勝利。2年振りに2回戦進出を決めたのだった。

　この試合、西原のオフェンスをコントロールしたのが2年生の知名梨里亜。20得点点9リバウンド7アシストの活躍を見せた。試合後、その知名に話を聞くと、「今日の試合は相手に西原の対策を全部されていて裏をかかれたことも多かったので、序盤からディフェンスが悪かったと思います」と反省の弁。それでも「初めてスタメンとして全国大会に出たんですけれど、いつも練習でしている動きとおりに全然体が動かなくて苦しい試合でした。でも、緊張しましたが試合は楽しかったです」と笑顔を見せた。

　昨年のエース、知名祐里は2歳年上の姉。現在はシャンソン化粧品でプレーする姉に「電話をしました。去年、姉の時のチームは1回戦で敗退してしまったので、『まずは1回戦突破できるように頑張れ』と言葉をもらいました」と励まされえたという。

　知名の背番号「7」は姉の祐里（現シャンソン化粧品）から譲り受けたものだが、これは崎浜秀勝コーチの「姉を超えてほしい」との願いが込められている。

　2回戦への課題を聞くと、「ディフェンスです。序盤からディフェンスが機能していなくて、みんな体が動いていなかったので、明日は序盤からディフェンスをしっかりと意識してディフェンスから流れを作れるようにしたいです」と語ってくれた。姉を超えるには自身もチームも成長しながら一つずつ勝ち上がるしかない。

文＝入江美紀雄