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昨年、昭和学院高校(千葉県)はウインターカップベスト8で敗退となったが、大会を通して花島百香(3年)の存在は際立っていた。
鹿児島女子高校(鹿児島県)との初戦、当時2年生だった花島は約18分の出場ながら26得点を稼ぎ、続く2回戦でも23得点をマーク。3回戦での岐阜女子高校(岐阜県)戦では12得点6リバウンドに加え4アシストを記録しただけでなく、ディフェンスでも体を張り続けて奮闘。岐阜女子の留学生センターに自由を与えず、ファウルトラブルに陥ってインサイドが手薄になったチームを救い、逆転勝利の立役者となった。そして、敗れはしたものの、高知中央高校(高知県)との準々決勝では27得点14リバウンドという数字を残し、大会を去った。
花島は学年を重なるごとにインサイドプレーからの得点、リバウンドは一層力強さが増し、ペリメーターのシュートや3ポイントシュートも精度を向上させてきた。1年次から昭和学院の先発、そして得点源を担ってきたが、いよいよ今回のウインターカップが高校最後の大会となる。現在も「昭和学院のエース」「世代屈指のオールラウンダー」といった周囲からの評価は変わらないだろう。しかし、チームの最大目標である「全国制覇」はまだ成し遂げられずにいる。
この夏に行われたインターハイでは、好カードと目されていた大阪薫英女学院高校(大阪府)との3回戦で63−88の大敗を喫した。チームのエースはこの試合、約38分間コートに立ち続けたが、オフェンス面で存在感を発揮することができず4得点。2年ぶりのインターハイはわずか2試合で終戦となり、花島としても、チームとしても不完全燃焼で終えた。
最終学年となった今年、花島は「ハードな試合になったときに、自分がどう得点に絡めるか、チームのためにディフェンスでどう貢献できるかが大事だと思っています」と闘志を燃やす。試合の勝敗を左右する局面で、絶対的エースは持てるもの全てを解き放ち、昭和学院の救世主となるはずだ。
文=小沼克年