2021.12.03

【ウインターカップ2021注目選手】酒井杏佳(明星学園)「安定した守備が最大の武器、攻撃でも存在感を示せるか」

ウインターカップでは「どんどん積極的にシュートを打つことを意識しています」と明星学園の酒井杏佳 [写真]=伊藤 大允
元バスケットボールキング編集部。主に国内バスケ(Bリーグ、高校・大学バスケ)を中心に取材活動中。バスケでオウンゴールしたことあります。

 明星学園高校(東京都)の正ガードを務める酒井杏佳(3年)は、八王子市立第一中学校時代に全国中学校バスケットボール大会(全中)優勝を経験。自身としても大会優秀選手に選出されたキャリアの持ち主だ。

「自分はディフェンスからブレイクを出すのが仕事」と本人が言うように、酒井は小柄な体を目一杯使って相手のリズムを崩し、チームに流れを引き寄せる。さらには隙を突いたスティールも得意であり、今夏行われたインターハイでのスタッツを見ても、計3試合で12スティールを奪っている。

 酒井が持つこの感覚には、指揮と執る青木良浩コーチも「元々、あの子はそういう(スティール)のが上手い」と評価しており、「ギャンブルはダメだけど、自分の判断を大事にして狙っていい」とアドバイスをしているという。

 しかし、青木コーチが酒井に求める部分は、それだけではない。「もっと点を取れる子なんだけど、完全にフリーじゃないと打たない。私としてはもっとシュートを打ってほしい」と、攻撃でも積極性を促す。

 現状、チームは酒井と2年生の池田凜が2ガードを形成して試合をコントロールしているが、オフェンスの場面では池田の方がボールに触れる機会が多く、「池田は自分から仕掛けることが得意なので、自分はそれに合わせて動いたり、池田がドライブしやすいようにパスを出したりすることが多いです」と酒井も認める。ただ、彼女自身もベスト8に終わった夏を経て浮き彫りとなった課題は「オフェンス面」だと明かし、こう続ける。

「シュートが打てるタイミングなのに打たなくて、積極的に点を取りに行くことが個人としての課題に挙げました。今回のウインターカップに向けては、自分もどんどん積極的にシュートを打つことを意識しています」

 酒井にとって高校生活最後の大舞台となるウインターカップ。先輩として周りをサポートするのではなく、先輩として積極性を出すことで、チームを高みへ導いてほしい。

文=小沼克年

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