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この夏に行われた2年ぶりのインターハイ。第1シードから優勝を狙った洛南高校(京都府)は、東海大学付属諏訪高校(長野県)に敗れて3回戦で姿を消した。この試合、一番悔しい思いをしたのは洛南の背番号5・大西一輝(3年)かもしれない。
大西はチームメート、そして河合祥樹アシストコーチからも得点力を期待されているシューティングガード。特にアウトサイドシュートを得意としており、高確率の3ポイントシュートを軸にオフェンスを引っ張る存在だ。
東海大諏訪との一戦は最後まで勝敗が読めない展開となったものの、最終スコア60−63。勝利まであと一歩及ばなかった同試合で、先発を担った大西のプレータイムは約17分間。しかも、この時間のうち後半のほとんどをベンチで過ごした。
「自分がもっと出ていたら……」。チームが負けてしまったことで、大西としてもより一層の悔しさが募った。しかし、「前半見ていて、やられてはいけないところのシュートを2本くらいやられました。そこでリードしてたところを追いつかれてしまったので、僕の中ではそれが最後マイナスに働くかなと思って、怖くて出せなかったです」と、河合ACはエースをベンチに下げ続けた理由を明かす。
洛南は『堅守速攻』を伝統に置くチームなだけに、攻撃力に優れる大西でもディフェンスを疎かにすれば出場機会は与えられない。本人もそれは重々承知しており、インターハイ後は「まず、洛南高校はディフェンスのチームなので、しっかりと激しいディフェンスができるようにしていくのと、もっと3ポイントの確率を上げれるように練習していきたいです」とさらなるレベルアップを誓った。
10月に行われたウインターカップ京都府予選の決勝リーグ。洛南は夏に続いて最大のライバルである東山高校を退け、京都府1位通過を決めた。この試合で大西は、チームメイトの星川開聖(2年)とともに両チーム最多タイの17得点を挙げる活躍を見せている。
チームはウインターカップ初戦に勝利すれば、2回戦で中部大学第一高校(愛知県)と激突。今夏のインターハイ王者を倒してトーナメントを駆け上がるには、夏の悔しさから成長を遂げた大西の活躍が必要不可欠だ。
文=小沼克年