2021.12.08

【ウインターカップ2021注目選手】藤澤夢叶(岐阜女子)「今年の岐阜女子を背負う絶対的スコアラー」

今年の岐阜女子のエースを務める藤澤夢叶 [写真]=伊藤 大允
フリーライター

「彼女はこういった大舞台での経験、キャリアがない選手なのですが、それでも物怖じしないで戦ってくれました。もっともっと力をつけられると思っていますし、あのサイズでもオリンピックで日本が世界で通用したわけですから、そういう選手に育ってくれればと思っています」

8月に新潟市で行われたインターハイ準決勝後、そう述べたのは岐阜女子高校(岐阜県)の安江満夫コーチ。指揮官が語った“彼女”とは、チームの中心を担う藤澤夢叶(3年)だ。

藤澤は今年、攻防両面にわたって岐阜女子をけん引するシューティングガード。小柄ながらも切れ味鋭いスピードとテクニックを武器に、ディフェンスでは積極的に間合いを詰めて相手の自由を奪う。オフェンスでは自身のスティールから速攻を演出するだけでなく、個人技にも優れ、一瞬のスピードで相手を置き去りしてのレイアップ、それを警戒してマークマンが一歩下がれば躊躇なくアウトサイドからシュートを沈める。

1試合平均22.5得点。この数字は、今夏のインターハイにおいて藤澤が計4試合で残したスタッツだ。果敢な守備もさることながら、藤澤を語るうえで欠かせないのは、この優れた得点力であり、ウインターカップでもスコアラーとしての活躍が期待される。

インターハイでは大阪薫英女学院高校(大阪府)に1点差で敗れて3位。藤澤はこの試合、20得点を挙げてチームを引っ張るも、ターンオーバーは両チーム最多の「6」を数えた。

「自分の対応力のなさと冷静さが足りなかったと感じています」。岐阜女子のエースはボール運びでのミスや、ストップジャンプシュートを選択せず、むやみにゴール下まで突っ込んでしまったことを悔やんだ。

チームとしては、昨年のウインターカップから2大会連続で全国決勝の舞台に立てていない。藤澤としては自ら得点することはもちろん、マークを引きつけて周りを生かすことも求められるだろう。夏に浮き彫りとなった課題を克服し、チームをもう一度決勝の舞台へ押し上げることができるか。

文=小沼克年

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