2021.12.29

福大大濠の大物ルーキー川島悠翔、1年目で全国制覇&ベスト5に選出「来年、再来年も優勝」

川島は15得点8リバウンドを挙げ、優勝に大きく貢献した[提供]=日本バスケットボール協会
元バスケットボールキング編集部。主に国内バスケ(Bリーグ、高校・大学バスケ)を中心に取材活動中。バスケでオウンゴールしたことあります。

 コート上での優勝インタビューのトップバッターを任されたのは、1年生の川島悠翔。「初めてだったのですごい緊張しました(笑)」と、お立ち台の場面を振り返った福岡大学附属大濠高校(福岡県)の大物ルーキーは、夏のインターハイよりも一回り大きくなってウインターカップに現れた。

「個人としては留学生に対抗できるようにするのと、シュート力をもっと上げたいです」。この夏は3位でインターハイを終えた福大大濠。川島は「FIBA U19 バスケットボール ワールドカップ2021」のメンバーに選出されて途中合流となったものの、インターハイの敗戦後はそう言って自分の物足りなさを感じていた。

 世界での経験と夏の悔しさを糧に、インターハイ後の川島は意識的に体作りに比重を置いてきた。2メートルの高さにフィジカルが備われば、当然チームにとってもプラスでしかない。そして、その努力は「SoftBank ウインターカップ2021 令和3年度 第74回全国高等学校バスケットボール選手権大会」で大きく実り、福大大濠にウインターカップ制覇をもたらす源の一つになった。

 ウインターカップの決勝戦で主に帝京長岡高校(新潟県)のコネ ボウゴウジィ ディット ハメード(2年)とのマッチアップを繰り広げた川島は、約30分間コートに立ち続けた。ゴール下で体を張り続け、攻めては速攻にも走り、3ポイントシュートも沈めた川島はこの大一番で計15得点8リバウンド。試合後の会見では、こんな言葉で決勝戦を総括した。

「今日の試合は、5番ポジションでプレーして留学生とのマッチアップでした。最初は思い切りのいいシュートが打てず、ドライブに行ってもちゃんとストップができなかったんですけど、後半は先輩たちが『どんどんやれ』と声をかけてくれたので、自分も強気でいけました。最後、ディフェンス面でもリバウンドに果敢に飛び込めたと思います。来年、再来年も優勝目指して頑張りたいと思います」

 今大会は全6試合で先発を担い、仙台大学附属明成高校(宮城県)との準決勝では「大濠に来てからは初めてかもしれないです」と、40分間のフル出場も果たした川島。大会ベストファイブにも選出され、「選ばれたことはうれしいですし、選ばれたからには来年、再来年も不甲斐ないプレーはできないと思うので、これからも強い気持ちを持ってしっかり練習していきたいです」と語った。

 福大大濠は28大会ぶりのウインターカップ優勝を成し遂げた。しかし、川島にとっては初めてのウインターカップでいきなりの優勝だ。こんなところにも、川島悠翔のスター性が垣間見えるウインターカップだった。

 文=小沼克年

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