インターハイ女子注目校（7）桜花学園「分厚い選手層を武器に女王の座を死守するか!?」

　7月27日から8月1日にかけて香川県で行われる「令和4年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会（インターハイ）」。熱戦が期待される夏の祭典の開幕を前に、バスケットボールキングでは大会で見るべき注目のチームをピックアップした。

■女子注目チーム（7）桜花学園（愛知）

　昨年からスターターを担う横山智那美と森美麗（いずれも3年）に女子日本代表候補に選出された福王伶奈（2年）、そして3年生の平賀真帆と高木美波の5人がスターターを担った「第69回東海高等学校総合体育大会」（以下東海大会）では決勝で岐阜女子高校（岐阜県）を相手に107−56と快勝。連覇が懸かる「令和4年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会（インターハイ）」に向けて弾みを付けた。

　昨年の東海大会決勝では岐阜女子に逆転負けを喫して敗戦。そのリベンジを果たした形となり、「うちはチャレンジャー。やってきたことに自信を持ち、また相手は下級生チームなので、3年生が力と気持ちを持って臨みましょうと声をかけました。それを3年生が体現してくれたと思います」と、指揮を執る長門明日香コーチは大会を振り返った。

　その6月の東海大会では先に挙げたスターターに加え、オールラウンドなプレーが持ち味の鈴木杜和（3年）やルーキーながら要所を締めたプレーを見せる深津唯生（1年）、その深津とともに「FIBA U16女子アジア選手権大会 ヨルダン2022」に出場した田中こころ（2年）に3年生の大久保陽菜と、9人がコンスタントに試合に出場。「やっとタイムシェアに選手も慣れてきたかなと思います。特に3年生にはいいメンバーがそろっているのですが、今まで力を出しきれませんでした。（今年は）ディフェンスが役割の選手やオフェンスで頑張ってもらいたい選手など、相手にアジャストしながら（選手起用を）考えています」と長門コーチは言う。

攻防において高いパフォーマンスを発揮する鈴木（右） [写真]＝山田智子

　昨年、インサイドで奮闘した朝比奈あずさ（女子日本代表候補／筑波大学1年）が卒業。今年は高身長の留学生とのマッチアップには180センチの森、192センチの福王らが担うこととなる。また、179センチではあるが、中学時代には留学生を相手に絶妙なディフェンスを見せていた深津の働きにも期待がかかる。

　ガードでは、横山、平賀の得点力に長ける2人が構える。特に平賀は隙あらば果敢にシュートを放ち、オフェンスを盛り立てる選手。エースの横山にはどのチームも警戒してくるだけに、横山も平賀の存在を「私へのマークが厳しくなったときにボールをプッシュしてくれたり、私が疲れている時間帯に得点を取ってくれたりするのですごくプラスになっています」と言う。

　他にも「FIBA U16女子アジア選手権大会 ヨルダン2022」で主軸を担った黒川心音（2年生）など、下級生にも能力の高い選手を多く擁する桜花学園高校（愛知県）。今年は3年生を筆頭に、“総合力”で夏のタフな戦いに挑む。

文＝田島早苗
写真＝山田智子