2022.07.18

インターハイ女子注目校（6）大阪薫英女学院「シュート力向上が優勝へのキーワード」

昨年のインターハイでは準優勝となった大阪薫英女学院 [写真]＝吉田孝光

田島早苗

フリーライター

　7月27日から8月1日にかけて香川県で行われる「令和4年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会（インターハイ）」。熱戦が期待される夏の祭典の開幕を前に、バスケットボールキングでは大会で見るべき注目のチームをピックアップした。

■女子注目チーム（６）大阪薫英女学院（大阪）

「点を取り合うしかないと思っています」
　
「令和4年度第69回近畿高等学校バスケットボール大会」（以下近畿大会）を制した大阪薫英女学院の安藤香織コーチは、190センチ近い留学生センターを擁するチームに対しての戦い方についてこう語った。

　近畿大会では決勝で188センチのセンター2人を擁する京都精華学園高校（京都府）と対戦。安藤コーチの言葉どおり、大阪薫英女学院は、高さを起点に得点を挙げる相手に対してひるむことなく積極的に攻撃を仕掛けた。しかし、ノーマークも含め、放つシュートがことごとく決まらない。前半を終えて13点のビハインド、第3クォーター序盤には一時17点差を付けられてしまった。だが、そこからオールコートのプレスディフェンスで相手の攻撃を防ぐと、攻めては熊谷のどか、都野七海（いずれも3年）らの3ポイントシュートが決まり出す。仲江穂果、細川未緒奈（いずれも3年）も続き、見事な逆転劇で勝利を収めた。

得点面での期待も高い仲江 [写真]＝吉田孝光

　都野、熊谷のガードコンビに加え、仲江と2年生の島袋椛、木本桃子。このスターターに細川を加えた6人を、「点が取れる選手たち」と安藤コーチは評する。また、これまでの公式戦や練習試合などから、大型プレーヤーが軸となるチームに対し「（ディフェンスで）止めようと思っても止められるものでもない」という経験もあり、「（シュートを決められても）点を取り返すこと。それしかないというか、それを続けることだと思っています」と安藤コーチは先に挙げた言葉の意味を語った。

　しかし、「2人で50得点」と安藤コーチが期待を寄せる都野と熊谷はともに158センチ。スターターに180センチを超える選手はおらず、得点を挙げるには3ポイントシュートなど外角シュートがカギとなる。近畿大会決勝の前半は、そのシュートが入らずに苦戦した。そのためインターハイに向けた課題は、「まだシュートの精度が低いので、ノーマークのシュートをしっかり決めること」と指揮官は言う。

　近畿大会では決勝こそ76失点だったものの、初戦となった2回戦では28失点、3回戦、準決勝はともに41失点と、相手の得点を最小に抑える激しいディフェンスは健在。来るインターハイでは、ハードなディフェンスと思い切りの良いオフェンスで、昨年後一歩に迫った優勝の座をつかみにいく。

文＝田島早苗
写真＝吉田孝光