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『B MY HERO!』
今年度より新設された「U18日清食品トップリーグ2022」が、11月26日に男子、27日に女子の最終戦を迎える。男女各8チームによる1回戦総当たりのリーグ戦は、一足先に女子の優勝校が決定。19日に最終戦を戦った桜花学園高校(愛知県)が7戦無敗で締めくくり、初代チャンピオンの称号を手にした。
一方、男子の行方は最終日まで持ち越しとなり、ともに全勝同士による直接対決で決まる。この大一番、国立代々木競技場第二体育館で相まみえるのは、福岡第一高校と福岡大学附属大濠高校(ともに福岡県)だ。両校は11月3日のウインターカップ県予選決勝で対戦したばかり。その一戦では福岡第一が7点差で勝利したが、今回はどんな結末が待っているのか。
「令和4年度全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会(インターハイ)」を制した福岡第一。夏以降、チームは攻守両面においてバリエーションを増やすことにフォーカスしてきたと井手口孝コーチは言う。トップリーグを通じては、コートに立つ5人をこれまでにない組み合わせで送り込む場面もあり、宮下紫瑛や斎藤瑠希(ともに3年生)など「力はあるけど、ケガなどがあって出遅れていた」(井手口コーチ)選手たちも経験値を積んだ。
新戦力の台頭については、「チームの刺激になる。ここからまた冬に向けて頑張ってほしい」と指揮官は奮起を促しており、選手たちにとってもトップリーグでの一戦一戦がアピールの場となっているようだ。
対する福岡大附属大濠は、福岡第一以上に今大会で貴重な経験を積み、強化を図っている。チームはインターハイ出場を逃しただけでなく、U18日本代表の湧川颯斗(3年)、U16からU19までのカテゴリーで選出された川島悠翔(2年)を筆頭に、世代別日本代表へ複数の選手を送り出した。そのため、全員そろっての練習がなかなか叶わず、6月以降は思うようにチーム作りができていなかった。
しかし、トップリーグでは9月24日の初戦から代表組を交えて実戦を積むと、試合を重ねるごとに結束力を高めていった。仙台大学附属明成高校(宮城県)に76−70、帝京長岡高校(新潟県)には64−56で競り勝つ勝負強さを見せ、片峯聡太コーチも手応えを感じている様子でチームの現状を語った。
「チームとしてすごくまとまってきました。今年は全員での練習回数が少ないなか、リーグ戦を通じてチームをアジャストさせて、経験を積めています」
リーグ戦のメリットを活かしたトライ&エラーを繰り返しながらも、福岡が誇る2強は他県のライバルたちに負けなかった。両者ともに約1カ月後には「SoftBank ウインターカップ2022 令和4年度 第75回全国高等学校バスケットボール選手権大会」が控えているが、井手口コーチが「負けていいことはないので、いいモチベーションにしたい」と言えば、片峯コーチも「無茶してケガをしたらもったいないですが、素晴らしい舞台で試合をさせていただく。自分たちのものにしたい」と決戦を見据えた。
福岡大附属大濠は、シーズンの節目の大会である6月のインターハイ予選と九州大会決勝、そしてウインターカップ予選でいずれも福岡第一に敗れた。「自分の弱さが出てしまいました。チームとしても“タフさ”の部分ではすべて第一さんに負けていた」と、11月3日の対戦を振り返った湧川(颯)は、ライバルへのリベンジ、そして優勝へ向け静かに闘志を燃やす。
「次はしっかりとタフさを出してプレーしたいです。第一さんには負け越しているので、しっかり勝って、自信をつけてウインターカップに臨みたいと思います」
福岡第一をまとめる城戸賢心(3年)は、「また大濠さんと試合ができるので楽しみたい」とコメントし、「自分たちの持ち味のスピードとディフェンスを発揮して、必ず勝ちたいです」と続けた。
高校バスケファンを沸騰させる優勝決定戦は、16時ティップオフだ。
文=小沼克年