2023.12.21

「有望株が揃う布陣…エナジー全開で4度目の頂点へ」福岡大学附属大濠/ウインターカップ2023注目校

2大会ぶりのウインターカップ制覇を目指す福大大濠[写真]=伊藤大允
フリーライター

 ライバルチームにとって、『冬の大濠』ほど怖いものはないだろう。

 昭和の時代から高校バスケット界を引っ張ってきた福岡大学附属大濠高校(福岡県)は、ウインターカップで過去に3度優勝を果たしている名門校。今年も過去のチームに負けず劣らずの戦力で大会に臨む。

 インサイドの柱は渡邉伶音(2年)。206センチの高さを生かし、シュートやリバウンドを量産する。ディフェンスでも高さと強さのある留学生センターに対して1人で防ぐことができるため、チームの強みにもなっている。そしてウイングには湧川裕斗や髙田将吾(ともに2年)がおり、9月から11月に開催の『U18日清食品トップリーグ2023』でも「しっかりシュートのアテンプトを増やしていくことをやってくれた」(片峯聡太コーチ)と、2人とも積極的な攻めが持ち味だ。また、状況に応じたプレーでチームのバランスを取る岩下愛育(3年)も欠かすことができない。さらには「体を張ったプレーで渡邉をフォローしてくれている」(片峯コーチ)という広瀬孝一(3年)は、献身的なプレーが光る。

指揮官も認める1年生・榎木璃旺。初のウインターカップで活躍が期待される[写真]=伊藤大允


 その多彩なメンバーを司令塔として引っ張るのがキャプテンの三輪大和(3年)と、スーパールーキーの榎木璃旺。特に榎木は、トップリーグで強豪校との対戦にも物おじせず、「ミスなくゲームコントロールをしてくれた」と、片峯コーチもその奮闘を称えていた。

「インターハイに出られなかった我々にとって、レベルの高いところで7試合できることがすごく高いモチベーションになりました。選手たちが練習を頑張る動機付けにも間違いなくなったと思います」と、トップリーグを振り返った片峯コーチ。その上で、「(トップリーグで得た)手応えを感じて満足してしまうのか、その手応えをさらに鋭く磨いていくのかが大事だと思います」ともいう。

 それだけに、トップリーグ最終戦からウインターカップまでの約1カ月をどう過ごすか。「3年生を中心にエナジー全開で5試合を駆け抜けられるようなチームを作っていきたいです」と、指揮官は意気込む。

 今夏はインターハイ不出場となっただけに、選手たちのウインターカップに懸ける思いは強い。トップリーグやウインターカップ福岡県予戦などを経て、「この2、3カ月の間でチームとしてしっかり成長できたかなと思います」(片峯コーチ)という福大大濠は、やはり今大会の主役になりうる存在だ。

取材・文=田島早苗