2022.08.12
河村勇輝(横浜ビー・コルセアーズ)がかねてより目標に掲げていた日本代表デビューを飾った。昨シーズン途中にプロ転向を決めた若きポイントガードは「FIBAバスケットボールワールドカップ2023 アジア地区予選」Window3のチャイニーズ・タイペイ代表戦で日の丸を背負ってコートに立つと、14分の出場で3リバウンド8アシスト5スティールを記録。アピールに成功し、その後行われた「FIBAアジアカップ2022」のメンバーにも選出された。約1カ月以上にわたる日本代表活動が終了後、河村へのインタビューが実現。日本代表デビュー、アジアカップでの話を聞いた。
インタビュー=入江美紀雄
――トップカテゴリーの日本代表選出は初めての出来事でした。高校時代から「日本代表に選ばれたい」と口にしていましたが、どのような気持ちで日本代表活動に参加しましたか?
河村 まずは初めて日本代表に選出されて、本当に「うれしい」の一言でした。ただ、日本代表候補に選ばれただけなので、毎日がトライアウトというか、アピールしなければ残れないと分かっていました。自分が目指していたのは、日本代表のポイントガードとして試合のコートに立つこと。合宿では緊張感を持って、練習に取り組んでいました。
――どういった点をアピールしていこうと考えていましたか?
河村 ほかのポイントガードの選手とは違った特徴をアピールしなければいけないと思っていました。自分は先輩方と違って何ができるのか、そしてそれをどのようにアピールできるのか。それらを考えつつ、アジアカップではやれた手応えがあります。
――プレーの特徴として、スティールを含めたディフェンス、スピードでプッシュする部分、相手のディフェンスを突破していくことなどが挙げられると思います。
河村 そのとおりです。Window1やWindow2に出場し、トム(・ホーバス)ヘッドコーチのバスケットを経験していた選手が多く選出されていました。自分は初選出だったので、まずはどういった選手なのかをアピールしなければいけませんでした。自分のプレーを知ってもらうために頑張っていました。
――ホーバスHCのバスケットにマッチしている印象を受けました。実際にプレーしていかがでしたか?
河村 高校時代にやっていたバスケットの感覚を戻せたのかなと。とにかくポゼッションを増やして、スピーディーな展開に持ち込むこと。オールコートでディフェンスして、トラップできるところではトラップして、スティールできる場面では果敢にボールを取りにいくこと。高校時代に学んできたこれらが今に生かされていて、トムHCのバスケットにフィットしたという感覚があります。思った以上にすんなりとトムHCのバスケットを理解して、プレーできたと感じています。
――チャイニーズ・タイペイ戦では14分3秒の出場で3リバウンド8アシスト5スティールを記録した一方、得点が「0」でした。
河村 あの試合は自分の中でシュートのタイミングがなかった感覚です。「自分が速攻からレイアップを打てるけど、走ってきているチームメートもレイアップを打てるなら、彼らにパスをしてリスペクトしよう。そうじゃないと走ってくれなくなる」と高校時代に井手口(孝)先生から言われて、その言葉が今でも自分のポリシーになっています。あの試合では点を決められる場面はありましたけど、そういった思いから、パスやアシストがすごく多くなり、0点になったのかなと。
――チームをコントロールする司令塔として、パスは出しやすかったですか?
河村 やはり出しやすいですね。自分に合うバスケットなので、考えるというより、自分がやるべきこと、やりたいことをそのまま発揮できれば、そのスタイルに定着する感覚。すごくプレーしやすいです。
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