2022.11.09

ホーバスHC率いる日本代表12名を徹底紹介! W杯予選でバーレーン&カザフスタンと対戦

[写真]=伊藤大允,Getty Images
スポーツライター。前英字紙ジャパンタイムズスポーツ記者。Bリーグ、男女日本代表を主にカバーし、2006年世界選手権、2019ワールドカップ等国際大会、また米NCAAトーナメントも取材。他競技ではWBCやNFLスーパーボウル等の国際大会の取材経験もある。

11月11日、14日に行われる「FIBAバスケットボールワールドカップ2023 アジア地区予選」のWindow5・バーレーン代表戦とカザフスタン代表戦。トム・ホーバスHCはその直前合宿に12名の選手を招集した。今年最後のワールドカップ予選に向けて、どのような選手たちが日本代表に選ばれたのか。いずれもホーバスジャパン出場経験のある選手たちとなるが、改めて詳しく紹介したい。

文=永塚和志
写真=Bリーグ、Getty Images

※所属チームは11月9日までのもの

アキ・チェンバース

生年月日:1990年9月19日(32歳)
ポジション/身長・体重:SF/191センチ・90キロ
所属:群馬クレインサンダーズ

今シーズンは群馬で全試合出場も元気がなく、過去3年連続で2ケタだった得点は6.3に、武器である3ポイントも昨シーズンの37.2パーセントから24.4パーセントと下がっている。機動力やディフェンス、3ポイント力と総合力の高さからホーバスHCからの評価は一定程度あるが、なかなか力量を発揮できていない。ワールドカップ1次予選の中国戦で平均20分以上だった出場時間は、2次ラウンドのカザフスタン戦では半減した。ただし海外組を除いたスモールフォワードの層の薄さを考えると、今後の活躍次第で代表での選考遡上に残り続ける可能性はある。

エヴァンスルーク

生年月日:1991年3月16日(31歳)
ポジション/身長・体重:C/203センチ・101キロ
所属:ファイティングイーグルス名古屋

帰化選手の選択肢で難しい状況に置かれるホーバスHCの日本代表において、最多の出場数を記録している。国際試合でインサイドの選手としてはやや身長が足りず、器用なタイプでもないが、試合をこなすごとに同HCのスタイルに慣れ、味方へのエキストラパスなどもより自然な形でできるようになっている。B1昇格初年度の今シーズンは平均33分以上の出場時間を得るなかで、平均の3ポイント試投数を3.4へと昨シーズンから2本増やしているのは代表での活動の影響もあるはずだ。

須田侑太郎

生年月日:1992年1月3日(30歳)
ポジション/身長・体重:SG/189センチ・87キロ
所属:名古屋ダイヤモンドドルフィンズ

所属チームで圧倒的に出場時間の短い井上宗一郎吉井裕鷹ほどではないにせよ、日本代表で新境地を切り開いた感がある。ショーン・デニスHCが名古屋Dで敷くオフェンススタイルが代表のそれに近いというのもあって、3ポイントシュートを躊躇なく放っている。1試合の試投数は昨シーズンの3.2本から今季シーズンは6.4本にまで増やしており、平均得点もキャリアハイとなる8.8点を記録している。シューティングガードの争いは激しいが、ディフェンスも激しくできるベテランへのホーバスHCの信頼は厚い。

張本天傑

生年月日:1992年1月8日(30歳)
ポジション/身長・体重:PF/198センチ・100キロ
所属:名古屋ダイヤモンドドルフィンズ

インサイドの選手である彼も外国籍選手らとの出場時間争いが激しい所属チームでよりも、日本代表でのほうがより活躍できている感が強い。年齢も30歳の大台に乗って経験を備えたベテランは、日本代表では大きな相手とのマッチアップでも臆せず体をぶつけられるディフェンス力と3ポイントを武器とし、地味ながらチームの要となっている。所属チームでは今シーズン、総じて数字を下げているが、激しく、かつ安定したプレーぶりは見ていても安心感がある

富樫勇樹

生年月日:1993年7月30日(29歳)
ポジション/身長・体重:PG/167センチ・65キロ
所属:千葉ジェッツ

以前は日本代表となるとどこか所属チームでのような溌剌としたプレーぶりができていなかったが、ホーバスHC体制下では不動の先発ポイントガードとなっている。現日本代表では得点力でもより力を発揮し、3ポイントの試投数は19年ワールドカップアジア予選と昨夏の東京オリンピックでの平均4本から、23年ワールドカップアジア予選と7月のアジア杯では同5.9本へと増えている。所属の千葉Jでは新HCのスタイルへの順応のために昨シーズンから若干数字を落としてはいるが、リーグ屈指の司令塔として変わらぬパフォーマンスを見せている。

ベンドラメ礼生

生年月日:1993年11月14日(28歳)
ポジション/身長・体重:PG/183センチ・83キロ
所属:サンロッカーズ渋谷

現体制の日本代表では昨年のワールドカップ予選Window1以来招集されていなかったが、コンディション不良の西田優大シーホース三河)に代わってWindow5直前合宿に追加招集された。今シーズン、所属のSR渋谷では昨シーズンとほぼ変わらぬ個人成績を残している。3ポイントの確率も36.1パーセントと昨シーズンから上げており、得点面での貢献も必要だが、サイズを生かした激しいディフェンスでホーバスHCを唸らせることが代表生き残りの必須ポイントとなるだろう。

コー・フリッピン

生年月日:1996年5月20日(26歳)
ポジション/身長・体重:SG/188センチ・75キロ
所属:琉球ゴールデンキングス

2月のワールドカップ予選Window2ではFIBAのエントリー要件上の理由で、同Window4では故障で、強化試合を除いて未だ日本代表デビューを飾れていない。3ポイントが不得手も、ホーバスHCは彼をディフェンシブストッパーとして試したい意向を示しており、Window5での出来次第では富樫、河村に次ぐ第3のポイントガードの候補として上位に来る可能性も。今シーズン、所属の琉球では全試合に先発出場し、献身的な働きを見せている。

シェーファーアヴィ幸樹

生年月日:1998年1月28日(24歳)
ポジション/身長・体重:PF/206センチ・106キロ
所属:シーホース三河

19年ワールドカップ、21年東京オリンピックに出場し体の強さとスキル向上を見せるが、現体制の日本代表へのフィットに苦しんでいる感があり、23年ワールドカップ予選では4試合で平均5分の出場にとどまっている。8月のテヘランでのイラン戦では精彩を欠き、来年のワールドカップ本戦へ向け立場が危うくなってきた。所属の三河でもシーズン序盤は波に乗れなかったが、10月下旬の対川崎での連勝では3ポイントを計7本沈め、それぞれ2ケタ得点を挙げて浮上のきっかけをつかんだ。

吉井裕鷹

生年月日:1998年6月4日(24歳)
ポジション/身長・体重:SF/196センチ・94キロ
所属:アルバルク東京

今夏、日本代表でデビューを果たし、身長の不足を当たりの激しいディフェンスで補い、かつオフェンスでも勇猛にドライブする姿勢でホーバスHCから高評価を得た。ワールドカップ予選とアジアカップではそれぞれ20分以上の出場時間を与えられている。所属チームでは外国籍選手がいるために出場時間は6分強と少ないが、それでもコートに立った時には代表で培った経験を生かしながら相手が外国籍選手でも怯むことなく攻める。

テーブス海

生年月日:1998年9月17日(24歳)
ポジション/身長・体重:PG/188センチ・85キロ
所属:滋賀レイクス

昨季まで3シーズン、主にバックアップポイントガードとしてプレーしてきた宇都宮を離れた。新天地では全試合先発し、得点(13.7)は日本人(帰化を除く)選手で2位、リバウンド(4.9)は同1位、アシスト(6.2)は全体の5位と才能を爆発させている。ホーバスHCの日本代表では、3ポイントがさほど得意でないこともあって得点面で苦戦をしているが、リバウンドとサイズを生かしたディフェンスで富樫、河村に次ぐ第3の司令塔の有力候補だ。

井上宗一郎

生年月日:1999年5月7日(23歳)
ポジション/身長・体重:PF/201センチ・105キロ
所属:サンロッカーズ渋谷

所属チームでは外国籍選手の陰で出番は非常に少なく、今シーズンコートに立った時間は平均6分強でしかない。しかし今夏、ホーバスHCに長身ながら卓越した3ポイントのセンスを見込まれ代表入りを果たす。ワールドカップ予選とアジアカップでは多くの出場時間を得ながら、3ポイントだけでなくディフェンスも向上。タフさを増し、大きく成長を遂げた。ワールドカップ予選Window4のカザフスタン戦では自己最長の26分間プレーし、3ポイントを3本沈めるなどの活躍を見せた。

河村勇輝

生年月日:2001年5月2日(21歳)
ポジション/身長・体重:PG/172センチ・68キロ
所属:横浜ビー・コルセアーズ

特別指定の肩書が外れ純然たるプロ選手となった今シーズン、所属チームでは平均15.6点にリーグ1位となる11.0アシストを挙げるなど「圧倒的な選手になりたい」という本人の言葉通り輝かしい活躍をしている。天皇杯3次ラウンドの川崎ブレイブサンダース戦では試合終了間際に勝ち越しのロング3ポイントを決め、勝負強さも見せつけた。日本代表ではフィジカルなディフェンスと傑出したアシスト能力で存在感を増しており、ゲームコントロール力が付けばワールドカップ本戦出場へ大きく前進する。

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