2023.08.26

バスケW杯デビュー戦を終えた河村勇輝…敗戦に悔しさをにじませながらも「ヘッドダウンすることなくいいを準備したい」

ワールドカップのデビュー戦でNBAプレーヤー、シュルーダーとマッチアップした河村 [写真]=伊藤大允
中学や高校、大学などの学生バスケットをはじめ、トップリーグや日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

「強豪国相手には、自分たちのいい流れが来たときに常に簡単なミスをしないことや、その流れを保ち続けるために正確なプレーが必要になってくると思うのですが、そういった精細さに少し欠けてしまったと思います」

 8月25日、「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」が沖縄にて開幕。初戦でドイツと対戦した男子日本代表河村勇輝横浜ビー・コルセアーズ)は、試合後、このように語った。

 試合は、デニス・シュルーダー(トロント・ラプターズ)、ワグナー兄弟(ともにオーランド・マジック)、ダニエル・タイス(インディアナ・ペイサーズ)らを擁するドイツに先行を許す展開に。すぐに馬場雄大の奮起で食らいついたが、ドイツの強さと高さ、また合わせのプレーなどから失点を許し31ー53で前半を終える。後半には渡邊雄太(フェニックス・サンズ)や馬場、河村らが果敢に攻めたものの、前半で付いた差は大きく、最後は63ー81で敗れた。

 この試合、河村はベンチから途中出場。試合開始約5分でコートに立った。「スカウティングで見ていた通りの強さとプレイスタイルで、ベンチから見ていてそこまでギャップというのはなかったのですが、コートに立って、フィジカルの強さやゲームを巧みに操るところに関しては本当に強かったなと思います」という。最終的には18分12秒の出場で7得点3アシスト。「僕の強みはペイントアタックすること。シュートが入らなくてチームが停滞してるときには個で打開しないといけない時間帯が必ずあると思うのですが、今日のラインナップ的には、僕が最終的にボールを持たないといけないところがあって、そこで決め切れなかったのは実力不足かなと思います」と、試合を振り返った。

 また、マッチアップしたNBAでも活躍するシュルーダーにつていは、「クレバーな選手だと思いました。スピードだけではなくて、ミドルジャンパーであったり、ロブパスでアリウープを演出したり。相手に流れを持っていかれないようなタイミングでのシュートなど本当にスマートだなと思いました」と、コメントした。

「ワールドカップに出ることのワクワク感、どれぐらいできるのかという楽しさ。コートに立ってもすごく楽しかったのですが、それ以上にチームに勝利に貢献できなかったこと。自分のターンオーバーであったり、シュートの精度の悪さによってチームに流れを持って来ることができなかったということは本当に悔しいこと」と、口にした河村。その若き司令塔に対して、トム・ホーバスヘッドコーチは「3ポイントシュートが入ったし、ディフェンスも良かった。彼のディフェンスは、相手には本当に嫌だと思います。ターンオーバーが少しあったけれど、これから。(河村にとって)この試合の経験は大きいと思います。もっともっとできると思っています」と、期待を寄せる。

ホーバスHCは河村について、「この試合の経験は大きい。もっともっとできるはず」と、期待を寄せた [写真]=伊藤大允


 河村自身、初となるワールドカップ。「画面から見ていた想像通りのレベルの高さだったと思うし、やれなかったことも本当にたくさんあったと思います」と、感想を語る。敗戦の悔しさ、自身への見えたきた課題もたくさんあるだろう。だが、戦いはまだ続く。河村は「この第1戦はチームとしても個人としても悔しい思いをしましたが、ヘッドダウンすることなく、明後日すぐ試合があるので、いい準備したいと思います」と発し、次を見据えた。

文=田島早苗

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