2023.09.01

日本代表ホーバスHC「うちの目標です。あと1勝です」比江島を4Qで起用した理由も説明

苦しい展開で檄を飛ばす場面もあった日本代表・ホーバスHC[写真]=伊藤大允
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 8月31日、「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」の17-32位決定ラウンド初戦が沖縄アリーナで行われ、日本代表(FIBAランキング36位)は最大15点差を逆転し、最終スコア86-77でベネズエラ代表(同17位)に勝利した。

 トム・ホーバスヘッドコーチ(HC)は試合終了直後に「疲れた」と報道陣に本音を漏らしつつ、「このメンバーはギブアップしない」と劣勢でも勝利を信じて戦い続ける選手たちの姿勢に満足げ。男子日本代表のヘッドコーチに就任して以来、アグレッシブなディフェンスから速攻を繰り出し、果敢に3ポイントを狙う戦術をチームに浸透させ、この試合のクライマックスとなった第4クォーターでは真骨頂ともいえるスタイルで豪快に試合をひっくり返した。

「このスタイルは2人熱くなれば(シュートが入りだせば)相手にすごくプレッシャーを与えられる」とホーバスHCは語り、ベネズエラ戦でも「(渡邊)雄太がちょっと熱くなって、マコ(比江島慎)が熱くなって、その2人が外から入るようになってから、インサイドにスペースができた。そこから河村(勇輝)がドライブできるようになった」と試合を振り返った。

 この試合の最優秀選手に輝いた比江島慎は、ファウル4つで第4クォーターを迎えていたが、ホーバスHCは「富永(啓生)があまり調子良くなかったから。マコが次のシューターです。10何点差になったからスコアが必要だった。あの時はもう難しいとかじゃない。彼しかいなかった。試合のリズムが変わらないとやばいと思った」と、チーム最年長の男を信頼して起用。比江島は第4クォーターだけで17得点と期待に応え、「今日は間違いなくゲームチェンジャーだった」と指揮官も称えていた。

 前半はなかなか上手くいかない苦しい展開だったものの、これまで同様、相手に疲労の色が出てきた時間帯に畳み掛けるスタイルは健在。「最終盤は相手の脚が止まったように見えた」との言葉には、被せ気味に「間違いない。ゲームプランです」とホーバスHC。「オフェンスもディフェンスも動いて動いて動いて…。相手は36歳の選手4人ですよ。絶対に第4クォーターで疲れると思った」と胸を張った。

 パリオリンピック出場権獲得に王手をかけ、指揮官は「うちの目標です。あと1勝です」と自力での出場権獲得を目指すことを強調。運命の今大会最終戦は2日20時10分開始予定のカーボベルデ戦(同64位)。試合の模様はテレビ朝日系列で生中継、DAZNとTVerでライブ配信される。

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