2020.02.11

Bリーグに代表合宿…西田優大が過ごす刺激的な日々とその先に見る未来

名古屋で特別指定選手としてプレーする西田 [写真]=B.LEAGUE
スポーツジャーナリスト

 東海大学3年生の西田優大は、昨年12月末に特別指定選手として名古屋ダイヤモンドドルフィンズへの加入が発表された。先日行われたFIBAアジアカップ2021予選 Window1に向けた日本代表候補合宿のメンバーにも選ばれるなど、日本バスケ界で注目されている逸材だ。チームに加入してから11試合連続でセカンドユニットとして出場を果たしていたが、2月9日の千葉ジェッツ戦では出場機会が訪れず、初のプレータイムなしという結果に終わった。

 西田がこの試合で出場できなかった理由を梶山信吾ヘッドコーチは以下のように語った。

「前日の試合で木下(誠)があまり良くなくて、その中で今日は彼にコート上でやり返すチャンスを与えたかった。加えて今日は中務(敏宏)選手も、チームのことを考えたプレーを徹底してくれました。いろいろな選手を使っていきたい中で、やはりルーキー2人を同じタイミングでコートに出すのは、今日のゲームに限って言うとすごく難しい判断でした」

「西田は強気なプレーやアタックするスキル、そして正確なシュート力など持っていて……本当に将来、日本を代表する選手になると思っています。今までも優大をどんな場面でも使ってきました。しかし、今日はそういった理由もあって彼にチャンスをあげられませんでした」

 千葉戦では出場機会を与えられなかったが、コーチからの信頼は非常に厚い。「今回の特別指定選手としての活動を終えても、またドルフィンズに戻ってきてほしいですか?」と問いかけると、梶山HCは「もちろん、もちろんです。戻ってきてほしいですし、彼自身に戻ってきたいと思ってもらえるようなチームになるべきだと感じています」とストレートに答えてくれた。

9日の千葉戦は不出場。しかしHCからの信頼は厚い[写真]=鳴神富一

すべての経験を糧に臨む、大学ラストシーズン

 信頼を勝ち得てBリーグの舞台で戦っている西田。フィジカルの差を痛感しながらも、時間が経つにつれて自分らしさをコート上で表現できているようだ。

「フィジカルだけでなく、相手への体の当て方などスマートに体を使うことが、Bリーグの選手はうまいと感じました。相手に体を当てられても自分のプレーがぶれないことが非常に大事だと感じながら、同時に学ばせてもらっています。最近の試合では少しずつBリーグの世界に慣れてきて、シュート力やピック&ロールからの展開など自分らしさが出てきているかなと。大学でのプレーがあと1年あるので、相手に負けない体作りなど、何を準備しなければいけないのかを再認識させてもらっている期間だと感じています」

 Bリーグでのプレーが決まった際、大学の陸川章監督からは「チームはチームでしっかりと成長しておくから、お前もしっかりと成長して帰ってこい」と言われたという。名古屋という地を選んだのは、プレータイムを確保できる可能性があるからという理由だった。

「オファーは何チームかからありましたが、プレータイムを確保できるチームに行った方がいいと感じて。チームでは自分のやりたいプレーをやらせてもらえていますし、非常にやりやすいですね。外国籍選手も強くて、大学では味わえない刺激をすごく受けています」

 名古屋での経験、そして日本代表候補合宿での経験を経て、西田は大学でのラストシーズンを迎える。そのシーズンが終わると、次なる舞台でもあるプロの世界が彼を待っている。

「日本代表候補にも若いうちから選んで頂いている中で、自分自身、結果を残していきたいと考えています。Bリーグでの経験もうそうですが、代表合宿ではさらに高いレベルを経験させてもらいました。上には上がいるんだというものを見せつけられましたが、そういうチャンスをしっかりとものにできるように、真摯にバスケに向き合っていきたいです」

「プロになるためには大学で活躍しないといけないと思いますし、プロで戦うための準備をする大事な一年を迎えるんだと、今は感じています。昨シーズンは非常に悔しい結果だったので……今シーズンこそは、リーグ戦やインカレも含めた全タイトルを獲得して、しっかりと次のステップへ進んでいきたいと思います」

 短い間ではあるが、高いレベルを経験してレベルアップを続ける西田。その経験を糧に東海大学を頂点へ導き、その先にあるBリーグの舞台、そして日本代表として世界の舞台へ突き進むはずだ。彼の挑戦は始まったばかりだ。

文=鳴神富一 写真=Bリーグ、鳴神富一

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