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2月15日、丸善インテックアリーナ大阪では「国際親善女子車いすバスケットボール大阪大会」(大阪カップ)が開幕。日本、オランダ、イギリス、オーストラリアの4カ国が参加している今大会、日本は初戦でオーストラリアを56-43で破り、白星スタート。続くイギリス戦も前半はリードして折り返したものの、後半に逆転を許し、惜しくも60-54と敗れた。連勝とはならなかったが、いずれも遂行力の高い内容ある試合。選手たちは多くの手応えと大きな自信をつかんでいた。
文=斎藤寿子
写真=エックスワン
高さが武器のオーストラリアに対し、日本のディフェンスがしっかりと機能した。軸とするプレスディフェンスで相手の動きを止め、攻撃の芽を摘んだ日本。さらにハーフコートのディフェンスでも、素早いスイッチやカバーリングなど連携の取れたディフェンスで、ハイポインター陣をアウトサイドに締め出した。
一方、オフェンスでも「全員バスケ」を遂行した。網本麻里(4.5)の10得点を筆頭に、土田真由美(4.0)と清水千浪(3.0)が9得点、藤井郁美(4.0)と萩野真世(1.5)が8得点、北田千尋(4.5)が6得点。得点源がハイポインターに偏ることなく、ミドルポインター、ローポインターからもバランスよく得点が生まれた。
試合後、選手たちは口々に「もっと差を広げて勝ちたかった」と語り、悔しさをにじませた。実は、オーストラリアは今年5月のU25世界選手権を見据え、アンダー世代を半数の6人入れた若いチーム構成で今大会に臨んでいる。それだけにフル代表の日本とすれば、13点差では不満を感じていたのだ。
しかし、内容はチームとして手応えが十分にあったはずだ。攻防の両面で日本の「形」が明確に表されていた試合だった。
そして、日本の強さがより明らかとなったのが、イギリス戦。14年から若手を育成し、長期的に強化を図ってきたイギリスは、昨年の世界選手権では銀メダルを獲得している。
そのイギリスとの試合、第1クォーターはオールコートでの速いバスケが展開され、スピード勝負となった。その結果、軍配が上がったのは日本。14-8とリードを奪い、好スタートを切った。
これはイギリスにとって予想外の展開だった。特に日本のプレスディフェンスの質の高さに、マイルズ・トンプソンヘッドコーチは驚きを隠せなかったという。
「日本のオールコートでのディフェンスには、驚きました。今までの印象とは全く違って、ここまでのディフェンスをしてくるとは、正直予想していなかった」
日本が得意とするプレスディフェンスは、世界2位の強豪にとって確実に脅威となっていたのだ。
逆に、第3クォーターではプレスに慣れ始めてきた相手に対し、リズム変化を狙い、ハーフコートでのディフェンスを敷いた日本。結果的には逆転を許したものの、先を見据えた戦略はチーム作りには不可欠。さらに前半と同じく2桁得点を挙げ、オフェンス面での手応えもあった。
16日には、世界選手権金メダルのオランダとの試合に臨む。先週、親善試合として2試合を行い、連敗を喫している相手だが、網本はこう語る。
「本当の意味で、自分たちはどこまで改善できているのか、どこまで強くなっているのか。怖さもありますが、楽しみな部分もあります」
世界女王を相手に、日本の力が試される。