2025.04.09

レブロン・ジェームズが試合開始5時間前に会場入りする理由とルーティンを説明「無駄な時間は一切ない」

闘志がほとばしるプレーぶりも万全な体調があってこそ [写真]=Getty Images

 レブロン・ジェームズロサンゼルス・レイカーズ)は、40歳になった現在も超人的なパフォーマンスを継続している。

 キャリア22年目の今シーズンは、平均24.5得点7.9リバウンド8.3アシストを記録。得点はリーグ11位、アシストはリーグ6位となっている。また、平均出場時間35.1分もルカ・ドンチッチに次ぐチーム2位となり、キャリア終盤の選手としては異例の長さとなっている。

 レブロンの異次元のパフォーマンスは、徹底した準備と高い規律によって支えられている。自身のPodcastチャンネル『Mind The Game』では、パートナーのスティーブ・ナッシュ(元フェニックス・サンズほか)との会話で、レブロンのルーティンの詳細が紐解かれている。

 驚きだったのは、レブロンは現在もなお、試合開始5時間前に会場入りしているということだ。オールラウンダーの史上最高傑作は、自身が望む形で試合に備えるためには全ての時間を無駄なく使う必要があるとし、アリーナにおけるティップオフまでの過ごし方を解説している。

「5時間前には(会場に)到着する。着いたらすぐにトレーニングウェアに着替えて、ウェイトルームへ直行だ。ウェイトルームを出たらすぐにコートへ行き、トレーニングをする。コートに出たらすぐにボディワークをして、体がちゃんと動いているか、ちゃんと機能しているかを確認している。それが終わったら、ノルマテックやアイシングなどあらゆるものを使って回復に専念している」

 会場入り後の前半のルーティンは、筋力活性化とコート上におけるプレー感覚の確認、そして調整と回復に注力しているようだ。レブロンは、コンディション維持のための投資に一切の余念がないことで知られている。年間150万ドル(約2億1800万円)を身体管理に費やし、食事も専属シェフによるパーソナライズされた設計によって、高品質な食材と摂取のタイミングを徹底している(ただし、ピザやワインを摂取するチートデイも)。

コートでのウォーミングアップの前にも様々なメニューをこなしていた [写真]=Getty Images

 回復後は、いよいよ試合に向けての準備に入る。

「その後はすぐにスカウティングレポートを読んで、その内容に集中している。完了した頃にJJ(・レディック監督)がロッカールームに入ってきて、チームを鼓舞する。そうしたら、いよいよ試合だ」

「そこに少しの食事も入れている。食べているよ。少量の食事と、軽食を少し摂取しているね。もちろん、栄養はしっかり摂りたいし、コートで何をするか分かっているから、身体にエネルギーを補給しなければいけない。でも、その時間さえ埋まっている」

 栄養管理に、戦術理解とメンタルの集中。すべてが明確な目的と意図をもって設計された、極めて高度な準備プロセスがあるからこそ、レブロンは今なおトップレベルのアスリートとして王座に君臨している。

 これを証明するエピソードとして最近、チームメートのオースティン・リーブスがPodcastチャンネル『The Young Man and The Three』において、ルーキーイヤーの思い出話を語っている。

「とにかく、彼(レブロン)より先に試合に行こうと思っていた。まずはチームで最初に会場入りしようとね。7時半の試合であれば、何時に行くべきかを考えた。最初は2時半か3時ぐらいだろうと思っていたよ。到着したら、そこにはすでに彼の車があった。畜生って感じだったね。だから、次の試合は1時半に行くことにした。最も彼に近づいたのが、彼がトンネル内を車で走っているのを見た瞬間だった。その時にこれ以上早く試合に行けないと思ったよ。ただ、裏に座って暇を持て余すだけになる(笑)。でも、これが彼の毎試合のルーティンなんだ。感銘を受けたよ」

 レブロンが今もNBAの頂点に立ち続けられる理由ーーそれは才能だけでなく、継続された努力と準備によって築かれている。単なる習慣ではなく、明確な意図と目的があるプロフェッショナルな行動。

 キングは今日もまるでロスター入りを目指す新人選手のように、すべてのディテールに全力を注ぐ姿勢を維持している。

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