2025.09.21

ドンチッチ「今はレイカーズでタイトルを獲ることに集中している」…一方でレアル復帰にも言及

オフに出場したユーロバスケットではシェイプアップした姿を披露したドンチッチ [写真]=Getty Images
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 ルカ・ドンチッチロサンゼルス・レイカーズ)が9月17日付(現地時間16日)の米経済紙『ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)』のインタビューに応じ、自身のキャリアの展望について言及した。記事によれば、現在はNBAでのタイトル獲得に集中しているものの、将来的に古巣であるスペインのレアル・マドリードに戻る可能性を否定しなかったという。

 ドンチッチは2015年にレアル・マドリードのトップチームでデビュー。わずか16歳でスペイン1部リーグ(リーガACB)に出場し、2018年には19歳の若さでユーロリーグ・ファイナルフォーMVPを受賞した。同賞の史上最年少記録は今も破られていない。ユース世代から成長を遂げ、プロとしての基盤を築いたクラブへの思い入れは強い。「もちろん、彼らが僕を育ててくれた」とWSJの取材に答え、将来の選択肢の一つとしてレアルでのプレーを挙げた。

 ドンチッチは2018年にNBAへ挑戦し、ダラス・マーベリックスに入団。ルーキーイヤーから新人王を受賞するなどスター街道を歩み、オールスターにも複数回選出されるなどリーグを代表する存在となった。2025年2月には大型トレードでロサンゼルス・レイカーズに移籍。新天地でのプレーに適応する過程では、「トレードはショックだった。どう振る舞えばいいかわからなかった」と心境を明かした一方で、チームの中心選手としてプレーオフを見据えた戦いを続けている。

 インタビューでは、近年取り組んでいるフィジカル面での改善についても触れられた。体づくりやコンディション管理に注力したことで、これまで課題とされてきた持久力や体重管理の面で成果を見せているとされる。WSJの記事では、身体面の変化に加え、父親としての責任感やプロとしての成熟度が増している点も強調された。

 将来的なキャリアプランについて、ドンチッチは「今はレイカーズでタイトルを獲ることに集中している」と語っている。だがその一方で、ユース時代から自身を育て上げたレアル・マドリードに対しては特別な感情を抱いており、「彼らが僕を育ててくれた」という発言からも、キャリアの終盤をヨーロッパで迎える可能性を視野に入れていることがうかがえる。

 WSJはまた、ドンチッチが外部からの批判や評価に対しても冷静な姿勢を示していると報じている。トレード後には「献身性や耐久性に欠ける」といった声もあったが、「多くは真実ではない」と反論し、自らのプレーで証明する構えを示している。本人は「他人にストーリーを語らせたくない。自分のプレーで語りたい」とも語っており、その姿勢は今シーズンのレイカーズでの戦いにも直結している。

 ユーロリーグ・ファイナルフォーMVPを最年少で獲得し、NBAでもスーパースターへと駆け上がったドンチッチ。インタビューの中で垣間見せたのは、過去と未来を結びつけるアイデンティティであった。現時点ではレイカーズでの成功に全力を注いでいるが、キャリアの最終章に古巣レアル・マドリードという選択肢が存在することは、揺るぎない事実と言えるだろう。

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