2026.03.23
“スコアラー史上最高傑作”と称されるケビン・デュラント(ヒューストン・ロケッツ)が、3月23日(現地時間22日)のマイアミ・ヒート戦で、レギュラーシーズン通算得点を3万2294点に伸ばし、マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)を抜いて、歴代5位に浮上した。
ただ、偉大な記録に到達しても、デュラントのテンションが過剰に跳ね上がることはない。試合後には「上にはあと4人いる」とコメントは冷静そのもの。また、「素晴らしいことだけど、まだ旅の途中。明日も起きて仕事に行かないと」とも語り、日々の反復に意識を戻している様子が印象的だった。
この淡々とした様子は、デュラントのキャリアに対する価値観と地続きにある。『Boardroom』の共同創設者兼CEOのリッチ・クレイマンと対面したデュラントは、ジョーダン超えを称号ではなく、在籍年数と再現性の証明と捉えている。
「長くプレーし続けたこと、そしてゲームを愛してきたことの証明だと思っている。MJ(ジョーダン)が毎日見せてくれたものだ。その姿勢が、この場所に連れてきてくれるんだと思う。俺は偉大な選手たちからそれを学んできた。結局は、会話のネタのひとつ。ただ、自分がどれだけ長くやってきて、どれだけ安定していたかを示してくれるものではある。そこは意味がある」

キャリア2年目以降はシーズン平均25得点以上を維持している[写真]=Getty Images
デュラントは、ジョーダンと共に自身の名前が語られることを喜びと捉え、これまでの継続を噛み締めるように言葉を紡ぐ。だが、スタッツへの考えを明かすと共に、数字上のいかなる記録を達成しても、バスケットボールの神様を超えたことにはならないと考えている。
「結局、スタッツはすべてを語っている部分もある。積み重ねること自体がすごいこと。長い期間それを続けるには、生産性が必要だし、それはちゃんとリスペクトされるべきだと思う。でも、(ジョーダンには)あれだけの実績があって、すべてが現実離れしてる。疑う余地がない存在だよ。誰が記録で上回ったとしても、彼の影響力は別物。スポーツやカルチャーに与えた影響が大きすぎる。だからスタッツ以上の存在なんだ」

驚異的なリーチで得点を量産してきたデュラント[写真]=Getty Images
クレイマンとの会話では引退とその後のキャリアにも言及している。
「正直、残り時間が多くないことはわかってる。でも毎シーズンが特別なんだ。これまでずっと人生をこのゲームに捧げてきたからね。あと何年できるかはわからないけど、できる限り続けたい。引退後、完全に同じもので穴埋めすることはできないことをここ数年で理解してきた。仲間との関係、世界中のファンとのつながり。NBAという環境そのものは恋しくなると思う」
そうコメントした上で、セカンドキャリアについても現在の考えを明かしている。
「(教える側に回る可能性について)そうなると思う。これまで学んできたことを、次の世代に還元したい。それが次のフェーズかな。いずれ誰かが、自分を抜く日も来る。それは自然なこと。自分も誰かに影響を与えられていたら、それが一番いいことだと思うよ」
デュラントにとって、ジョーダン超えは物語のクライマックスではなく、長い旅程の通過点だった。同時に、KDはゲームはこれからも進化していくことを信じてやまない。
先人からの学びを、次の世代にも伝えていくこと。デュラントは、この先も“その時”が来るまで得点を重ね、その後はスコアラー以外の役目を担う心の準備もできているようだ。
文=Meiji
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