2023.02.27

ジェームズ一家の莫大な影響力…レブロンとブロニーの共演が実現すれば球団価値は倍増か

2人を獲得できた球団は価値が急騰するとみられている [写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 NBAの未来予想図は、我々ファンの嗜みの一つと言える。そして、そのなかで最も重要なファクターがドラフトだ。2023年はビクター・ウェンバンヤマ(メトロポリタンズ92/フランス)の指名が確実視されており、メディアもひっきりなしに次世代の怪物の動向を報じている。

 しかし、それはあくまで来シーズンのこと。アメリカ国内には才能に満ち溢れたプレーヤーがはるか先まで控えており、彼らは夢の舞台でプレーするために日々鍛錬を重ねている。

 ブロニー・ジェームズ(シエラ・キャニオン高校)もまた、NBA入りが期待される注目選手の1人だろう。最近は『ESPN』が、2024年のNBAドラフトでトップ10入りを予想したことが大きな話題を呼んだ。

 レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)はかねてより息子とともにコートに立つ目標を公言。つい最近もレポーターのデイブ・マクメナミン氏に対して「俺はブロニーと一緒にフロアにいなければならない」と語り、キャリア継続に向けて意欲を燃やしている。

 レブロンとブロニーがともにプレーするとなれば、その球団の注目度は飛躍的に上昇することだろう。広告代理店『ピナクル・アドバタイジング』でクリエイティブディレクターを務めるボブ・ドルフマン氏は、もし共演が実現すれば、フランチャイズに莫大な利益をもたらすと予見した。

「フランチャイズ価値は急騰し、各試合は巨額なチケット代とプライムタイムの視聴枠が与えられる必見のイベントとなるでしょう。そして、彼らを獲得した球団はプレーオフの強豪に転じる可能性も秘めています」

『Forbes』はその一例として、モックドラフトに沿い、オーランド・マジックがブロニーを指名すると仮定。現時点でマジックはリーグで24番目となる18億7500万ドル(約2560億円)の評価額が与えられているが、ドルフマン氏はジェームズファミリーの加入によって球団価値は2倍にも膨れ上がると示唆した。

「オーランドのようなフランチャイズであれば、一晩にして球団価値を倍増させることができるでしょう。フェニックス・サンズの球団価値は、2021年が17億ドル(約2320億円)だったのに対し、2022年は27億ドル(約3680億円)まで跳ね上がっています。1年で50パーセントの評価増はあり得ない話ではありません」

 歴代最多得点記録保持者の影響力については言及するまでもないだろう。レブロンは2024-25シーズンまでレイカーズとの契約を残す。もしブロニーと同じ球団と合意できるとなれば、ベテランミニマムまたはそれに匹敵する安価な契約も考えられ、契約球団は十分なサラリーキャップを確保することができる。

 一方のブロニーは、SNSで1200万人以上のフォロワーを有し、Beats by Dr. Dreやナイキといったトップブランドと契約。『On3』が算出したNIL価値(氏名、イメージおよび肖像権)は750万ドル(約10億円)とされ、これは高校のアメフト選手で最高評価を受けるアーチ・マニングの2倍にあたる。

NBA入りが期待されるブロニー・ジェームズ [写真]=Getty Images

 また、シエラ・キャニオンのポイントガードについては、高校生離れした知名度のみならず、プレーヤーとしての将来性にも期待が寄せられている。ドラフトに精通する『ESPN』のジョナサン・ジボニー氏は、ブロニーの未来について以下のようにコメントした。

「ブロニーはこの世代では前例がないほどのスピードで成長しています。私は彼が高校1年生の頃から追いかけてきましたが、見る度に大きくなり、強くなり、爆発力を増しています。シュートもハンドリングも良くなっており、素晴らしいチームメートでもある。優秀なコネクターだと思います」

「父親のようなオールスター選手になるという話ではありません。デアンソニー・メルトン(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)、マーカス・スマート(ボストン・セルティックス)、ドリュー・ホリデー(ミルウォーキー・バックス)のように、最高レベルで勝利に貢献する驚異的なロールプレーヤーを目の当たりにしているのです」

 はたして、ジェームズ一家とNBAは未来でどのように交わるのか。レブロンが引退後にオーナー業にも進出する可能性などを考慮すると、妄想はただただ膨らむばかりだ。

文=Meiji

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