2023.03.11

ヒート入りしたケビン・ラブがキャブズとのバイアウトを語る「最も難しい決断だった」

今季途中にキャブズからヒートへ移籍したラブ[写真]=Getty Images
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「何よりも、僕はまだプレーできるんだと感じていたんだ」

 3月10日(現地時間9日、日付は以下同)。マイアミ・ヒートのケビン・ラブが、『The Athletic』へ公開された記事のなかで、クリーブランド・キャバリアーズとの契約をバイアウトしたことについてこのように話していた。

「プロとして、間違いなく僕にとって最も難しい決断だった。僕がクリーブランド、オハイオ州のことをどれだけ愛しているかはみんなが知っていることだし、あそこのファンはいつだってチームと僕のことをサポートしてくれた。8年半もいたんだから、ものすごく難しいことだったんだ」

 キャブズ在籍9年目となった今シーズン。ラブは41試合に出場して平均20.0分8.5得点6.8リバウンド1.9アシストを残していた。だが今年1月下旬にキャブズはリッキー・ルビオやシェド・オスマン、ディーン・ウェイドのプレータイムを増やすことになり、ラブはローテーションを外れることに。

 ラブがラインナップを外れてから、オールスターブレイクまでの12試合でキャブズは9勝3敗と大きく勝ち越していた。だが34歳のベテランフォワードにはこんな思いが駆け巡っていた。

「何よりも、僕はまだプレーできるんだと感じていたんだ。自分は今でもプレーできることは分かっていた。3ポイントラインから素晴らしいシュートは打てなかったけど、僕にはあのチームで多くの面でインパクトを与えることができると思っていた」

 その後、ラブは2月19日にキャブズと契約のバイアウトが合意に達してウェイブ(保有権を放棄)され、21日にヒートと契約。NBAキャリア15年目の男にとって、シーズン途中の移籍は初めてのことではあるものの、新天地でジミー・バトラーバム・アデバヨといった選手たちとともにスターターを形成。

 ここまで8試合に出場して平均22.0分7.5得点7.4リバウンド1.8アシストをマーク。ヒートはホームで9日と11日にキャブズと対戦して1勝1敗。ラブは古巣相手に1戦目で8得点8リバウンド2アシスト、2戦目では7得点7リバウンド1ブロックを残した。

 フィールドゴール成功率37.5パーセント、3ポイントシュート成功率はわずか23.7パーセントと、シュート力に定評があるベテランとしてはシュートタッチを取り戻していく必要があるものの、エリック・スポールストラHC(ヘッドコーチ)はこう話す。

「彼はうまくフィットしている。短期間ではあるが、先発陣を本当に補完してくれている。我々が必要としていたポジションだったんだ。それに我々は長い間、彼のファンだった。ドラフトされてから、ずっと彼を追いかけてきたんだ」

 ヒートはラブが出場した8試合で3勝5敗と負け越しているとはいえ、オールスターブレイクまで3ポイントシュート成功率でリーグ28位の33.4パーセントだったものの、ラブ加入後の直近9試合でリーグ16位の36.3パーセントへ上昇。フロアにスペースを作り出すことができる男が加入した効果は数字にも表れてきている。

 レギュラーシーズン終了まで約1カ月。ヒートはイースタン・カンファレンス7位(36勝32敗)にいるため、プレーイン・トーナメントを回避できる6位以上まで順位を上げたいところ。オフェンス面でラブが復調できれば、ヒートの得点力は増すことだろう。

ラブがシュートタッチを取り戻せばヒートにとって貴重な武器となる[写真]=Getty Images

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