
2025.03.08
NBAの歴史に残る驚愕トレードで最大の“勝者”となったのは、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)なのかもしれない。
ダラス・マーベリックスの転落劇とは裏腹に、レイカーズはルカ・ドンチッチを獲得して以来、リーグ屈指の優勝候補へと変貌を遂げた。現在、7連勝中のレイカーズは、レブロンとドンチッチのデュオによりチームとしても大きくステップアップし、ウェスタン・カンファレンスの2位にまで駆け上がってきた。
そんなレイカーズの激変について、稀代のスコアラーであるカーメロ・アンソニー(元ニューヨーク・ニックスほか)は、自身のPodcast『7pm in Brooklyn』で親友のレブロンの“変化”に言及している。
「ブロンがこんなに楽しそうにプレーしているのを見たことがない。ルカが加わったことで、レイカーズは今やロックダウンディフェンスのチームになっている」
今シーズン、40歳の大台に到達したレブロンは、年齢を感じさせない圧巻のプレーを続けている。2月に開催された11試合の平均スタッツは、29.3得点、10.5リバウンド、6.9アシスト、フィールドゴール成功率55.5パーセント、3ポイント成功率44.3パーセントというMVP級の内容となった。
一方、悲劇の渦中にいたドンチッチも新天地での第二章を受け入れ始めた様子で、3月7日時点で平均27.0得点、9.0リバウンド、8.8アシストと、極上のオールラウンダーとして再び実力を発揮しはじめた印象だ。
アンソニーは、レイカーズにおけるレブロンの役割が完全に変わったと分析している。
「今は役割が逆転している。ブロンはまるでADのようで、ルカがレブロンのような存在になっている。今のレブロンは、ただコートを駆け抜けるだけでいい。ミスマッチを作り、ルカがパスを出せば、それをキャッチして得点すればいい。レブロンがこれまでアンソニー・デイビスに出していたパスを、ルカも同じように供給できるからだ」
今までは誰かに頼られる存在だったレブロンが、現在はドンチッチの加入により、ゲームメイクの面で他人を頼る側の立場になった。これは、かつてのチームメートとして、絶対的なアイデンティティの持ち主であるレブロンとプレーする難しさをよく理解しているアンソニーだからこその洞察だ。そして、そんな新生レイカーズを目の当たりにしたアンソニーの目には、最近のレブロンが心地よく映っているという。
「レブロンがいたチームの多くは、システムをうまく機能させることができなかった。俺がレイカーズにいた時もそうだった。でも、ルカは違う。彼がボールを持っている。そして、これはレブロンが初めて誰かにゲームの支配を任せている瞬間だ。何より重要なのは、レブロンがルカにゲームを託すことにとても心地よさを感じているということだ」
ドンチッチの加入は、キングという危険な男に自由を与えることとなった。これを受けて、アンソニーはドンチッチとレブロンが現在の状態と健康を維持できれば、レイカーズはプレーオフでも非常に優位な立場になると予想している。
レブロンが片手すべてをチャンピオンリングで埋め尽くす日も近いかもしれない。
文=Meiji
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