2023.09.25

パリ五輪の“エンビード争奪戦”に進展…フランス連盟が参戦するか決断する期限を設定

決断に注目が集まるエンビード[写真]=Getty Images
バスケ情報専門サイト

 フィラデルフィア・セブンティシクサーズのジョエル・エンビードは、昨シーズンに平均33.1得点10.2リバウンド4.2アシスト1.0スティール1.7ブロックを残したリーグ最高級のビッグマン。

 213センチ127キロのサイズと豊富なスキルを兼備する29歳の男は、昨シーズンに2年連続の得点王となったほか、6年連続でオールスターに名を連ね、オールNBAファーストチーム、さらにはMVPに初選出された。

 NBAで実績を積んでいる攻防兼備のビッグマンだが、プロ入り後に主要国際大会へ出場したことはなく、「2024年パリオリンピック」に向けて“争奪戦”が繰り広げられている。

 エンビードはカメルーン出身で、アメリカ国籍を持つほか、昨年にはフランス国籍も取得した。つまり、カメルーン、アメリカ、フランスのいずれかでプレーする権利を保持していることとなる。

 今夏の「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」を終えた時点で、オリンピックプレ予選への出場権を手にしているカメルーンに対し、アメリカとフランス(開催国)はパリオリンピックへの出場が決まっていることから、アメリカとフランスのどちらかを選択するのではないかというのが大方の予想。

 今年7月下旬。アメリカ代表のマネージングディレクターを務めるグラント・ヒル(元デトロイト・ピストンズほか)は『SiriusXM Radio』へ出演した際、エンビードと話をしたことを認めており、アメリカ代表入りするように勧誘していた。

 するとフランスバスケットボール連盟の代表は、ラジオ番組“Stephen Time show”へ出演した際、10月10日(現地時間)までにフランス代表でプレーするかどうかを返答する期限を設けたことを明かし、「我々は正式にジョエル・エンビードと連絡を取っていない。私は彼には(フランスへ)来てほしい。だが我々はそのことについて会話ができていない」と話していた。

 もしエンビードがフランス代表でプレーすることとなれば、ルディ・ゴベア(ミネソタ・ティンバーウルブズ)やニコラ・バトゥーム(ロサンゼルス・クリッパーズ)、エバン・フォーニエ(ニューヨーク・ニックス)、さらにはビクター・ウェンバンヤマ(サンアントニオ・スパーズ)と一緒に戦うこととなる。

 一方、アメリカを選択した場合は先日報じられたように、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)やステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、ケビン・デュラント(フェニックス・サンズ)といったNBAのスーパースターたちと同じチームでプレーする機会を手にする可能性がある。

 今回のワールドカップでアメリカは4位、フランスは18位に終わったものの、2021年の東京オリンピックでは決勝戦で対決し、アメリカが金メダル、フランスが銀メダルを獲得しているだけに、エンビードの決断は大きな注目を浴びるに違いない。

ジョエル・エンビードの関連記事