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攻防両面でアメリカの潤滑油となって奮闘したデビン・ブッカーを指揮官が「陰のMVP」と絶賛

2大会連続で金メダルを手にしたブッカー[写真]=Getty Images
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■「ハイレベルなディフェンス、それがチームから求められていること」

 アメリカ代表は、パリオリンピックの5人制男子バスケットボール競技で金メダルを獲得し、2008年の北京大会から5連覇となった。

 大会MVPにはレブロン・ジェームズ、オールスター5(大会ベスト5)にはレブロンとステフィン・カリーが選ばれ、両選手とケビン・デュラントアンソニー・エドワーズジョエル・エンビードデビン・ブッカーが平均2ケタ得点をマーク。

 8月11日(現地時間10日)にフランス代表との決勝戦を終えたアメリカ代表スティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)は、記者会見でブッカーの働きを称えていた。

デビン・ブッカーは信じられないほど素晴らしいバスケットボール選手。誰も聞いてこなかったが、彼はこのチームにおける陰のMVPだ。どうしてもそれを言っておきたかった」

 NBAではフェニックス・サンズの主軸として現在8シーズン連続で平均20.0得点以上を残し、オールスターに4度、オールNBAチームに2度名を連ねているブッカーだが、2021年の東京オリンピックで平均20.7分9.3得点3.2リバウンド1.8アシスト1.5スティールを残して金メダルを獲得。

 パリ五輪ではチーム4位の大会平均22.0分に11.7得点2.7リバウンド3.3アシストを残したことに加え、フィールドゴール成功率56.8パーセント、3ポイントシュート成功率56.5パーセント(平均2.2本成功)と高確率なショットで援護射撃していた。

ブッカーはディフェンスなど地味な仕事も着実にこなした[写真]=Getty Images

 だがアメリカ代表で、ブッカーはディフェンダーとしても奮戦。相手チームのファストブレイクを防ぐ好守を見せるなどディフェンス面でもチームに不可欠な存在として5連覇に大きく貢献。

「自分が主役になる夜がやって来るかなんて分からないよ。そのために常に準備しなければいけない。けどゲームの細かい部分に集中することが大事なんだ。ハイレベルでディフェンスすること、それがチームから求められていることだから」

 ブラジル代表との準々決勝を終えた後にそう話していたブッカーは、フランスとの決勝で15得点6リバウンド3アシストを記録。出場時間帯における得失点差+18はカリーの+20に次ぐ堂々チーム2位。

 スターぞろいのNBA軍団でロールプレーヤー役を見事にこなし、指揮官からの信頼も獲得していた。

「彼はNBAからここ(パリ五輪)で異なる役割をするうえで最も適応している選手。リーグでは驚異的なスコアラーだけど、東京(2021年大会)で、彼はボールを回す役割へ見事順応していたんだ」

 パリ五輪期間にそう語っていたカーHCはさらに「彼が入ることでオフェンスがうまく機能し、ディフェンスがすごく良くなる。彼がどの試合でも先発している理由はそこにある。どの選手との組み合わせでもかみ合っているように見えるんだ」と称えていた。

 ブッカーはパリ五輪の6試合で得失点差+78を記録。これはチーム4位なのだが、エキシビションマッチ5戦の+52を合わせた+130は今大会のアメリカ代表で最多。

 攻防両面でアメリカ代表の潤滑油となったブッカーは、アメリカが大会5連覇を達成するうえで絶大な貢献を見せたと言っていいはずだ。

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