2023.08.26
8月25日から9月10日にかけて開催される「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」。4年に一度の世界一決定戦を前に、バスケットボールキングでは今大会で注目すべきナショナルチームをピックアップした。
文=小永吉陽子
近年、実力が急上昇中のドイツ。今大会で7回目の出場となり、過去の最高成績は2002年大会の3位。この大会では世界最高峰のパワーフォワードの呼び声が高いダーク・ノビツキーが得点王とMVPを獲得している。
ここ数年の躍進が著しいドイツは、この夏、沖縄で大注目のチームだ。2019年のワールドカップではFIBAランキングで22位だった順位を、現在は11位まで上げていることがその理由の一つ。
東京オリンピックでは1992年バルセロナオリンピック以来となるベスト8に進出。オリンピック後は新たな指揮官であるゴードン・ハーバードHCを迎え、さらなる成長を遂げている。昨夏に地元ドイツで開催されたユーロバスケット2022(ヨーロッパ選手権)では2005年以来となる銅メダルを獲得し、ワールドカップのヨーロッパ予選ではグループを首位で通過。今年7月に発表した18名の代表候補選手は、昨年3位の成績を収めたユーロバスケットと東京オリンピックに出場したメンバーで構成されているだけに、チームケミストリーが出来上がり、チームは今、成熟のときを迎えているのだ。
チームの軸となるのは、2022-23シーズンにロサンゼルス・レイカーズで八村塁とチームメートだった司令塔のデニス・シュルーダー(トロント・ラプターズ)と、オーランド・マジックでプレーするワグナー兄弟の弟のフランツ・ワグナー、インディアナ・ペイサーズでプレーするインサイドのダニエル・タイスだ。シュルーダーはユーロバスケット2022において、平均22.1得点をマークし、オールスター5にも選ばれている。
また今大会は、ワグナー兄弟の兄で、弟のフランツと同じくオーランド・マジックでプレーするモリッツや、NBAでのプレー歴があるイザック・ボンガも参戦。さらに、要注意となるのが爆発力を備えたシューター陣だ。アンドレアス・オブストはユーロバスケット2022において3ポイントの成功本数ナンバー1の25本を決め、確率も48.1パーセントと高い。マオド・ローもユーロバスケット2022では3ポイントが45.1パーセントと高確率を誇る。さらにフロントコートに目を移せば、ヨハネス・フォウクトマン(209センチ)、ヨハネス・ティーマン(205センチ)ら、ヨーロッパを主戦場として活躍する選手たちがそびえ立つ。
大会前にはシュルーダーの発言によって、マキシ・クレーバー(ダラス・マーベリックス)が代表辞退へと追い込まれ、一時はチームのムードに暗雲が立ち込めたこともあった。しかし、ドイツの結束は強固だ。大会前の強化試合では中国に107-57で大勝し、アメリカに91-99と善戦。チーム内での騒動を払拭するかのごとく、ワールドカップに向けて前進している。
豊富な選手層と経験値に加え、高さでも脅威となるドイツは、過去最強のメンバーを揃えて沖縄に乗り込んでくる。
【ドイツ代表メンバー】
#0 イザック・ボンガ(バイエルン・ミュンヘン)
#4 マオド・ロー(オリンピア・ミラノ)
#5 ニールス・ギファイ(バイエルン・ミュンヘン)
#7 ヨハネス・フォウクトマン(オリンピア・ミラノ)
#9 フランツ・ワグナー(オーランド・マジック)
#10 ダニエル・タイス(インディアナ・ペイサーズ)
#13 モリッツ・ワグナー(オーランド・マジック)
#17 デニス・シュルーダー(トロント・ラプターズ)
#21 ジャスタス・ホラッツ(KKセデビタ・オリンピア)
#32 ヨハネス・ティーマン(アルバ・ベルリン)
#42 アンドレアス・オブスト(バイエルン・ミュンヘン)
#44 デイビット・クラマー(CBグラナダ)
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