2017.06.16
2月26日に行われたB1リーグ第22節第2戦で、京都ハンナリーズは敵地でサンロッカーズ渋谷に79-75と勝利。チャンピオンシップ出場権争いのライバルであるSR渋谷を相手に貴重な1勝を挙げた。
京都は第1クォーターからケビン・コッツァーとマーカス・ダブを軸にインサイドを起点としたオフェンスを展開。第1クォーター終了時には20-10と立ちあがりの主導権争いをものにした。第2、第3クォーターはオン・ザ・コート1の中、効果的にボールを動かすことができずオフェンスが停滞。最大10点あったリードをSR渋谷に追いつかれる苦しい展開となる。それでも川嶋勇人、内海慎吾、籔内幸樹、村上直らを同時起用すると、このスモールラインナップが機能して攻撃のリズムを取り戻す。再びオン・ザ・コート2となった第4クォーターではコッツァーがこのクォーターだけで13得点4リバウンドの大活躍。互いにリードを2度ずつ奪い合うシーソーゲームを制した。
「終盤まで入れることができていなかったが、シュートタッチ自体は悪くなかったので、思いきって打っていこうと思っていた」。試合後、岡田優介は第4クォーター残り2分21秒で勝利を決定づけた3ポイントシュートをこう振り返った。この日は第3クォーターまでに7本の3ポイントシュートを放ったものの、いずれもリングに嫌われて1本も沈めることができずにいた。それでも「自分が(シュートを)打ててるということはオフェンスの形自体は悪くないと思っていたし、入らなくても強気で打っていくことが大事」と、百戦錬磨のベテランらしい姿勢でチームを勝利に導いた。
京都は開幕直後の10月には6連敗を喫するなど下位に甘んじていたが、第22節終了時点では西地区で名古屋ダイヤモンドドルフィンズ、大阪エヴェッサと激しい2位争いを演じるまでに躍進。チャンピオンシップ進出が懸かるワイルドカード争いでも3位につける。「オン・ザ・コート1の時間帯でも(サイズの小さい)日本人選手が互いにカバーすることができた。シーズン序盤と比べるとチームとして成長できているし、上位チーム相手に歯が立たなかったのが最近はしっかり戦えるようになってきている」とチームの成長を実感しつつも、もちろん満足はしていない。「ここから(上位に)上がっていくためには、全体としてもう一つステップアップしないといけない」と、攻守両面におけるさらなる上積みの必要性を口にした。
岡田は対戦相手であるSR渋谷のホーム、青山学院大学の出身。学生時代はこの日試合が行われた青山学院記念館で広瀬健太(SR渋谷)、正中岳城(アルバルク東京)らとともに汗を流した。「慣れ親しんだ体育館でプロとして試合ができるのは非常にうれしい。キツい練習とか、いろいろと思い出もありますね」と、大学時代を懐かしんだ。
両外国籍選手がインサイドで柱になり、日本人選手がスピードと運動量でかき回す。進化を続けるチームの中で、日本バスケットボール選手会の初代会長を務め、公認会計士としての顔も持つ異色のベテランが、チャンピオンシップ進出に向けアウトサイドから飛び道具を放ち続ける。
文=山口晋平
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