2018.06.05
1980年代から90年代にかけて、NBA人気と相まって、多くのシグニチャーモデルは大きな人気を博した。それから約半世紀、あまたのモデルが登場してきたが、バッシュの人気はどのような変遷を歩んできただろうか? そこでケイジャー(バスケットプレーヤー)の聖地、GALLERY・2の飯田哲哉氏に『バッシュトレンド今昔』を聞いてみた。
――なぜこれだけ長い間、人気が続いたのでしょう。
飯田 もちろん田臥選手自体の人気もあったと思いますが、デザインの良さが人気の秘密だったと言えます。またその後、『ズーム アップテンポV』として復刻すると、カラーバリエーションも増えて人気は続きました。このモデルの特徴と言えるのが、非常にリピーターが多かったということ。その理由は履き心地の良さであったり、グリップ性能の高さだったりですが、一度履いたらまた欲しくなるモデルだったのだと思いますね。
――ロングセラーといって他に覚えているモデルはありますか?
飯田 まだ継続して販売されていますが、アンドワン『タイチミッド』です。
――ビンス・カーター(サクラメント・キングス)が2000年のNBAオールスターのダンクコンテストで履いていたモデルですね!?
飯田 はい。普通、バッシュのシリーズはモデルチェンジをするですが、これはほとんどしてないんですね。変更点はカラーバリエーションが増えたことと、素材が本皮から人工皮革になったこと。そして、つま先部分の加工方法が縫い付けにかわった戻ったくらいで、ソフトなアッパーの履き心地は今でも定評があります。
――アイバーソンと同世代のスーパースターと言えば、コービー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)のシグニチャーはどうでしたか?
飯田 コービーはデビュー当時アディダスと契約していました。その後、ナイキと契約するのですが、『ズーム コービー4』は当時では珍しいローカットで、バッシュのトレンドを変えるモデルでした。それまではハイカットやミッドカットのモデルが主流だったのが、『ズーム コービー4』以降、こぞって各メーカーがローカットモデルを出すようになっていきます。コービーのシグニチャーは本人が引退した今でも人気の高いモデルですね。
――ステフィン・カリー(ゴールデンステート・ウォリアーズ)はどうですか?
飯田 アンダーアーマーは『カリー』シリーズはもちろん人気がありますね。アンダーアーマーでいえば、本格的にバスケットボールに参入した当初の『CLUTCHFITシリーズ』は品薄になるぐらいの人気でした。
――現在一番人気のあるモデルは何ですか?
飯田 ズバリ、ナイキ『カイリー4』です。カイリーシリーズはこれまでもそうだったのですが、履きやすさが特徴で、前足部の過度な締め付けもありません。『カイリー4』はそれを踏襲しながら、アウトソールが柔らかくなり、日本人にとってもさらに相性が良くなったと思います。またアウトソールの特徴として他のモデルよりも丸みがあるのですが、最初はネンザを心配する人もいるのですけど、慣れてくると体重移動がしやすくなり、素早くダッシュできるようになるそうです。そして価格的にも手ごろで、コスパも最高ですよ。
――選手としても人気がありますか?
飯田 ありますね。カイリーはTシャツなどの関連グッズも人気があります。日本ではあまり身長が高くなく、点を取れるガードに人気がありますから、カイリーはぴったりです。
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