2019.03.29

CS進出を目指す両チーム、試合の入りでの主導権争いが勝敗を分けるポイント

2000年より、バスケットボール専門で取材活動中

富山グラウジーズvsシーホース三河(@富山市総合体育館)
第1戦:3月30日18時5分、第2戦:3月31日13時5分

 3月に入って一度は“借金”生活に突入ながらも、富山グラウジーズは息を吹き返した感がある。4連勝で迎えた前節はシーホース三河を連破した三遠ネオフェニックスが相手だったが、安定した得点力で前半から試合を優位に進め、88得点で勝利。選手登録期限前に獲得したアラン・ハーンドンがようやく出番を得て13得点をマークしたほか、船生誠也が第11節1戦目以来32試合ぶり、今季6度目の2ケタとなる16得点を挙げた。2人が活躍したことで、50試合目にして初めてのレオ・ライオンズ不在の影響を感じさせなかった。これで“貯金”「4」となり、ワイルドカード2位の座をキープ。中地区2位との6勝差をひっくり返すのは難しいとはいえ、チャンピオンシップ進出に一歩ずつ近づいていることも確か。ただし、振り返ると複数のチームがすぐ後を追いかけてきているという状況も変わっていない。今節の相手はその1つである三河だ。

 前節の三河は、前々節の三遠戦で喫した連敗のショックを100点ゲームで吹き飛ばし、横浜ビー・コルセアーズに勝利。21得点の岡田侑大を筆頭に6人が2ケタに乗せた中でも、ここまで出場機会に恵まれていない松井啓十郎が12得点で健在をアピールしたことは頼もしい限り。また、金丸晃輔に続いて前節は桜木ジェイアールも戦列に戻り、ベンチスタートながら9得点7アシストと持ち味を発揮している。

 このカードは三河がホームで3連勝した後、富山がホームで1つリベンジ。そのいずれも、ホームチームが第1クォーターに先手を取って逃げきる展開だった。特に前回の対戦は富山が前半だけで51得点と、自らのペースに三河を引きずりこんだ。今回も試合の入りでの主導権争いが勝敗を分けるポイントになるだろう。その意味ではスターターの働きが重要となり、若返った三河のスターターに桜木が戻るか否かで試合展開も変わってくる。富山では、古巣との対戦でもある船生の攻守両面での存在感に注目したい。

文=吉川哲彦

■ロースター
・富山(ヘッドコーチ:ドナルド・ベック)
レオ・ライオンズ
アラン・ハーンドン
船生誠也
阿部友和
山田大治
水戸健史
宇都直輝
比留木謙司
大塚裕土
葛原大智
青野文彦
ジョシュア・スミス
前田悟
松山駿

・三河(ヘッドコーチ:鈴木貴美一)
ジェームズ・サザランド
ケネディ・ミークス
狩俣昌也
アイザック・バッツ
村上直
森川正明
西川貴之
金丸晃輔
松井啓十郎
加藤寿一
岡田侑大
桜木ジェイアール
生原秀将
熊谷航

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