2019.05.14

「絶対最後は俺たちが勝つんだ」…アルバルク東京を連覇へと突き動かした原動力を語る安藤誓哉

積極果敢なプレーで長丁場となった今シーズンを戦い抜いた安藤[写真]=B.LEAGUE
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「新潟との2戦目で勝ち切ったことがターニングポイントでした」と明かす

 5月11日に横浜アリーナで行われた「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2018-19」(以降CS)のファイナルで、アルバルク東京千葉ジェッツに最大19点のリードを奪うすばらしいバスケットボールを展開。第4クォーターで千葉の猛反撃に遭うも、最後は71-67で勝ち切り、2連覇を成し遂げた。

 今季のA東京は、レギュラーシーズン開幕前の「FIBAアジアチャンピオンカップ」出場に加え、シーズン中も代表選手が「FIBAバスケットボール ワールドカップ2019」の予選出場のためチームを離脱。シーズン途中には「第94回天皇杯・第85回皇后杯 全日本バスケットボール選手権大会」(以降、天皇杯)をこなし、ワイルドカード上位で臨んだCSでは西地区トップの琉球ゴールデンキングスとのセミファイナルで第3戦の末に勝利。

 ファイナルを含めて、計73試合の長丁場となった今シーズンだったが、最後は今季天皇杯も含めて1勝6敗と大きく負け越していた千葉を撃破。優勝後の囲み取材で、「アジアチャンピオンズに負けて、レギュラーシーズンもあんまり自分たちの力を発揮できなかったですし、天皇杯も負けて。でも最後こうやって優勝して、本当にうれしいですね」と語ったのは安藤誓哉

第1Qに10得点を奪われた富樫(左)に対して、第2Q以降にアジャストしてみせた安藤(右)[写真]=B.LEAGUE

 レギュラーシーズン60試合に加え、CSの6試合すべてで先発ポイントガードを務め上げた安藤は、接戦ばかりという苦しい試合の連続となったCSについて、「正直、全部がタフだったんですけど、ポイントというのは新潟との2戦目で、あそこで勝ち切ったところが今につながったのかなと。琉球とは第3戦まで行きましたけど、僕はそこがターニングポイントだったと思います」と振り返った。中地区首位の新潟アルビレックスBBとCSのクォーターファイナルで激突したA東京は、78-72で初戦を制すと、第2戦でも71-68で新潟を振り切り、セミファイナル進出を決めた。

 その後、A東京はセミファイナルでは西地区トップの琉球ゴールデンキングスと第3戦におよぶ激戦を制し、ファイナルでは東地区トップであり、リーグベストの戦績を残した千葉を下して文句なしの2連覇を達成。

「今年はレギュラーシーズンでそこまでうまく僕たちの力を発揮できたシーズンではありませんでした。その中でワイルドカードから全部の地区1位のチームを倒して優勝できました。試合中にハプニングもあった中でも勝てて、思わず優勝して涙が出ました」と安藤は喜んだ。

日本代表に入って、オリンピックに出たい」という夢を明言した安藤

 ワイルドカード上位として臨んだ今年のCS。ホームコートアドバンテージがない中で強豪チームと戦ってきた安藤は、チームがCSに入ってから「自然となんですけど、『もうこっからだ』というトーンに変わっていきました」と語り、その原動力を「『絶対最後は俺たちが勝つんだ』という気持ちだったと思います」と明かした。

 ファイナルで9得点2リバウンド3アシストにターンオーバーをゼロに抑えた安藤は、今季を終えて「ほかの選手に聞いたわけじゃないんですけど、去年よりも任されてる、信頼されてると自分で感じましたし、それを責任を持ってやってきた1年間でしたので、充実してましたし、精神的に成長できたと思います」と口にし、「任されている以上、結果を問わずにやり切るっていう部分もありますので、天皇杯に負けた時は相当なショックでした。なのでファイナルに出て同じ相手を倒して優勝できて良かったです」と振り返った安藤。

アグレッシブなプレーで千葉のインサイドを荒らした安藤[写真]=B.LEAGUE

 A東京のキャプテンを務める正中岳城は、2年連続で優勝チームの先発ポイントガードとなった安藤をこのように評していた。

「去年タイトルを取って、今年はいろんなチームのポイントガードに対して『自分もいい選手だ』っていうのを証明しようとしたシーズンだったと思います。それは結果でもそうですけど、1つのポゼッションにおけるやり合いでもそうですし、今日の試合もそうですけど、『絶対負けたくないし、(リングに)アタックする』というメンタリティーを持ってプレーしているように感じました。身体がしんどい時やタフなシチュエーションを感じながら、シーズンをずっとやってきましたけど、1つ大きい男になったのかなと思います」。

 Bリーグ3シーズン目を終えた安藤。優勝後の囲み取材で将来の夢について聞かれると「代表に入って、(2020年の東京)オリンピックに出たいです」と明確なビジョンを示した。持ち前の強じんな肉体に加え、精神的にも成長を遂げた安藤が、日本代表の座を虎視眈々と狙っている。

文=秋山裕之

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