2025.05.22
現行制度で迎える最後のB2シーズン。この特別な年に、神戸ストークスは「B2最後の王者」という称号を手にするべく、大型補強を敢行した。
Bリーグ初年度にB2初代チャンピオンに輝いた神戸ストークス(当時は西宮ストークス)。あの栄光を再び――集結した新戦力たちは、それぞれの想いを胸に、頂点だけを見据えている。

福井から神戸に移籍した木村は得点力に期待[写真]= KOBE STORKS
「九里(大和)GMに声をかけていただいて、チームと自分のやりたいことがマッチしていました」
そう語るのは、福井ブローウィンズから移籍した木村圭吾だ。昨シーズンは59試合出場で平均得点12.8をマーク。キャリアハイの成績を残したが、木村の表情は晴れやかではなかった。
「群馬クレインサンダーズから移籍して、確かに個人のスタッツは良くなりました。でも、ブローウィンズでB1昇格を果たせなかった。個人の成績に満足できても、チームの結果が残らないと、自己満足になってしまう気がして」
神戸では、得点力だけに頼らない選手を目指す。
「シュートはもちろんですが、ドライブもゲームコントロールもこなせる選手になりたいですね。3ポイントだけじゃなく、あらゆる角度から得点を取れる。そんな存在を目指していきます」
開幕戦の相手は、奇しくも古巣の福井。木村にとって、これが初めての古巣対決になる。
「神戸で4チーム目の所属になりますが、以前に在籍したチームとの対戦は初めてなんです。一緒に戦った選手にも、そしてブローウィンズのブースターにも、『圭吾は敵にしたら怖い』と思われるプレーを見せたいです」
目標を聞くと、迷いのない答えが返ってきた。
「B2でナンバーワンの日本人選手になることが目標です。勝負所でシュートを決めて、チームを勝利に導く。チームを勝たせるプレーヤーになって、B2優勝を目指します」

新天地を神戸に求めた八村[写真]= KOBE STORKS
群馬クレインサンダーズから移籍した八村阿蓮。移籍の決め手は、神戸の環境だった。
「GLION ARENA KOBEは、チームが所有するアリーナです。まだチームがアリーナを所有するケースは少なくて、この環境は当たり前ではありません。いつでもアリーナに出入りができるし、好きな時間に練習もできる。トレーニング施設や食事なども含めて、魅力的に映る部分が多くありました」
初めて迎えるB2でのシーズン。だが八村は、B1で見てきた「強いチーム」の本質を理解している。
「B1にいて、ずっと強いチームを見て感じたのは、選手が自分の役割をまっとうしていることです。強いチームの選手は、決して自分勝手なプレーをしない。チームが勝つためにどう動くか、その意識を強く持っている選手が集まっていると感じました」
フィジカルなディフェンスとオフェンスを武器に、八村は自らの役割を全うする覚悟だ。
「これまで外国籍選手とマッチアップすることが多かったので、今も練習段階から、外国籍選手に負けないような強度を保っています。自分らしさを失わず、貢献できる場所で戦える準備をしていますね」
そして、こう力強く宣言した。
「自分がチームの中心になること、それが神戸を選んだ意味でもあります。これまでのキャリアで1番成長できたシーズンにしたいですし、みんながB2優勝という共通認識を持っているので、その目標を達成できるよう貢献し続けたいです」

寺園のキャリアは優勝を目指す神戸に不可欠[写真]= KOBE STORKS
レバンガ北海道から移籍した寺園脩斗。神戸への移籍理由を話してもらった際、「優勝」という言葉でトーンが一つ上がった。
「30歳を迎えた中で、僕はまだ『優勝』を経験していません。レバンガへの感謝はもちろんありましたが、心の奥底には、やっぱり優勝を経験したい気持ちもありました。そう考えていたときに、九里GMから声をかけていただきました。何がなんでもB2優勝を成し遂げたいと、力強く言っていただいて。挑戦したい僕の気持ちと、神戸に来てほしいGMの気持ちがマッチしたこともあり、新しい環境でのプレーを決めました」
今シーズンはアイザック・バッツとともにキャプテンを務める。寺園が目指すのは、コミュニケーションでチームを束ねるリーダー像だ。
「僕はプレーで引っ張るというよりも、コミュニケーションを取ってチームをまとめるタイプですかね。チームの雰囲気は本当によくて、いい意味で個性豊かです。選手みんながB2優勝という同じ方向を向けるように、チームを鼓舞していきたいと思います」
個人の目標はない。ただ一つ、チームの勝利だけを見つめている。
「個人の目標は特にありません。B2優勝を成し遂げるために来たので、何がなんでも優勝する。チームが勝利するために動く。それだけです」
最後に、自身のストロングポイントを笑顔でこう語った。
「僕がコートにいる間は、とにかく声を出し続けます。画面越しでも会場でも、甲高い声が聞こえたら僕の声だと思ってください」
得点力の木村、役割遂行の八村、チームメイクの寺園――それぞれの武器を持つ3人が口を揃えるのは、「B2優勝」という同じ言葉だ。
現行制度で最後となるB2の王者は、誰の手に渡るのか。神戸ストークスの挑戦が、いよいよ始まる。
文=西本友
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