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群馬・谷口大智が36歳の“初陣”で奮闘「ファンと勝ち取った勝利」…13連勝で宇都宮との大一番へ

ファンに“お祝い”をおねだりする谷口 [写真]=B.LEAGUE
フリーライター

 いよいよ東地区首位の背中が見えてきた。4月15日に行われたB1第33節、群馬クレインサンダーズは敵地でサンロッカーズ渋谷を寄せ付けず、91-54で勝利を収めた。

「今シーズンで最も悪い試合でした。アグレッシブな姿勢、フィジカル、スピード、そしてプレーの遂行力。すべてにおいて私たちよりも上回っていました」

 SR渋谷のゾラン・マルティッチヘッドコーチは完敗を認めた。群馬は第2クォーター序盤でロスター12名のうち11名がコートに立ち、最終的にはタイムシェアを図りながら全員出場。1試合平均72.6失点というリーグ1位の堅守を武器に、クラブのB1連勝記録を13にまで伸ばした。

 連勝の背景にあるのは単なる「勢い」ではない。誰が出ても崩れない組織としての完成度だ。コートに立つ5人が役割を遂行し、ベンチメンバーも流れを途絶えさせることなく、さらに加速させる。この試合の主役は、盤石の強さを発揮し続けている要因を誇らしげに語った。

「群馬はベテラン選手も多いですし、イケイケのときはベンチも含めて楽しい雰囲気で戦えています。ただ、試合前はどのチームが相手でも、みんながやるべきことをしっかりやろうという意識を持って入っています。どんな相手にも僕たちのスタイルを崩さず、一人ひとりが自分の役割を崩さずにしっかりプレーしてきた結果が今の連勝につながっていると思います」

 4月15日。自身の誕生日を勝利で飾ったのは谷口大智。201センチのビッグマンは、SR渋谷戦で今シーズン最長(16分9秒)と遜色ない16分4秒のプレータイムを得た。

 外国籍選手と体をぶつけ合い、「2日前に亡くなった実家の愛犬のためにも決めたかった」と、第2、第4クォーターには3ポイントシュートを沈めて6得点。悲しみさえも闘志に変え、36歳の第一歩を踏み出した。

 試合後、谷口は平日の夜にもかかわらず国立代々木競技場第二体育館に駆けつけてくれたファンをあおった。両手を大きく広げ、耳に手を当てるジェスチャーを繰り返す姿は、まるで「俺の誕生日を祝ってくれ」と“おねだり”しているようだった。本人に真意を問うと、谷口は顔をほころばせながら答えてくれた。

「そうなんですよ、と言いたいですけど、そうではないです(笑)。今日のファンの方の応援で僕たちの感じたのが、一段も二段もレベルが上がってるなと。今日の勝利に関しても選手だけで勝ち取ったのではなく、ファンの方と一緒に勝ち取った勝利です。だからこそ『お前らも騒げ!』という意味を込めて煽りました」

 ベテランの域に達した谷口だが、群馬には今シーズンから加入した移籍組の1人。開幕前には「6、7キロくらい」体を絞り、チームが目指すスピーディーな展開に順応すべく自らを追い込んだ。

 現在の体重も「減らしすぎず増やしすぎずで、いいコンディションを保てています」と谷口。「やっぱり外国籍選手にも当たり負けず、その上でしっかりと足を使って動けるような体づくりを意識しています」と続け、自身の役割についてはこう述べた。

「誰か1人に負担をかけるのではなく、プレータイムをしっかり分散させることが今の僕の役割だと思っています。試合の流れを崩さないことが日本人ビッグマンの課題でもあると思うので、僕としてもその部分はしっかりと意識して、オンザコートワンの時間帯でも対等に戦えることをしっかりとアピールしていかなければいけないです」

 4月15日。この日は群馬の本拠地・オープンハウスアリーナ太田で初めてホームゲームが開催された記念日でもある。2023年に行われたこけら落としで戦った相手は宇都宮ブレックス。現在、東地区首位に立つ昨シーズンの王者であり、次節、群馬がホームに迎え撃つ宿敵だ。

 宇都宮とのゲーム差は3。カイル・ミリングHCはオプアリで迎える2連戦を「Big Game」と表現した。群馬も強い。宇都宮も強い。谷口が語ったように、ファン・ブースターとともに熱狂を生み出し、『群馬一丸』で自分たちのスタイルを貫くだけだ。

文=小沼克年

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