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WNBA指名の田中こころが見据える夢の舞台…来季は日本で「勝たせられるガード」へ

今後について話をしてくれた田中こころ [写真]=W LEAGUE
バスケットボールキング編集部

 5月3日に国立代々木競技場第二体育館で開催された「春日井製菓 presents Wリーグオールスター 2025-26 in 代々木」において、オンザコート presents スキルズチャレンジが行われ、田中こころENEOSサンフラワーズ)が24.03秒という好タイムを叩き出し、見事に優勝を果たした。

 先月開催された「WNBAドラフト2026」において、ゴールデンステイト・ヴァルキリーズから3巡目全体38位で指名を受けた田中。日本人としては萩原美樹子氏(東京羽田ヴィッキーズヘッドコーチ)以来、実に29年ぶりとなる快挙に大きな注目が集まる中でのイベント出場となったが、「やるからには一番になりたいという思いがあったので、一番を目指してやりました」と笑顔を見せた。また、今シーズン限りで引退する先輩の宮崎早織とも一緒にコートに立ち、「宮崎選手とも最後でしたし、本当にすべてが楽しかったです」と充実した時間を振り返った。

 イベント後に行われたメディア対応では、大きな話題となったWNBA指名や、来シーズンに向けた決意を語った。

■強豪WNBAチームとの対戦で感じた差…「まずは日本で経験を積む」

スキルズチャレンジに優勝 [写真]=W LEAGUE

 ドラフト指名の瞬間はマネージャーとリアルタイムで映像を見ていたといい、「自分の名前が出て、『本当に合ってるのか』というぐらいすごく驚きました」と当時の心境を初々しく明かした。しかし、「ゴールデンステートと話し合い、今シーズンはWNBAではプレーせず、ワールドカップ(女子日本活動/FIBA女子ワールドカップ2026)とWリーグに集中することになりました。来シーズンに向けてもっともっと技術を学び、色々なことを吸収していきたい」とリリースで発表した通り、WNBAの今シーズンはヴァルキリーズと契約せず、来シーズンも日本国内でのプレーを継続する。

 オールスター前に行われた女子日本代表のアメリカ遠征では、WNBAチームとの対戦も経験した。4月26日に行われたラスベガス・エーシズ戦は体調不良により欠場したものの、続く29日のフェニックス・マーキュリー戦で復帰すると、3ポイントシュート2本を含むチーム最多の14得点と気を吐いた。チームは2連敗を喫し、田中自身も「会場もすごく大きいですし、音響やパフォーマンスも別格でした。相手もすごく大きくて体も強く、レベルの差を見せつけられました」とスケールの違いを肌で感じたという。それでも「ここでやれたらすごいなと思いますし、本当に憧れの場所。そんなところで大好きなバスケットができたら最高だなと思います」と、夢の舞台への思いをさらに強くしたようだ。

 遠征中にはヴァルキリーズのコーチ陣から直接ユニフォームを受け取るなど、現地での期待の高さもうかがえる。将来のアメリカでのプレーを見据え、「『ここぞ』というときに、向こうでも絶対的存在になりたい。『勝たせられるガードだな』と思ってもらえるようになりたいので、まずは日本で経験を積んでやることが大事なのかなと思っています」と語り、この1年は海外挑戦に向けて英語の勉強にも力を入れていくという。

宮崎早織の引退と新たなENEOSの司令塔として

チームの先輩、宮崎との交流を楽しんだ [写真]=W LEAGUE

 所属するENEOSでは、皇后杯やユナイテッドカップで優勝を果たし2冠を達成したものの、Wリーグでは惜しくもプレーオフ進出が叶わず、レギュラーシーズン5位という悔しい結果に終わった。田中は「勝てた試合を落としてしまったり、あともう一歩のところで勝ちきれなかったりする試合が多々ありました」と回顧。「そういうところを勝ちきる力をつけていけば、ワールドカップなどでも結果が出てくると思うので、細かいところを修正していきたい」と課題を口にした。

 さらに、チームを長年けん引してきた先輩であり、2冠にも大きく貢献した宮崎が現役を引退する。来シーズンからは、田中がポイントガードの中心としてチームを引っ張る役割を担うことになる。「変に責任を負いすぎず、素晴らしい選手たちがたくさんいるのでそこは頼って。でもちゃんと責任を持つところは持つという風に、良いバランスでやれたらいいなと思います」と、気負いすぎずに自身の役割を全うする構えだ。

 最後に来シーズンへの意気込みを問われると、「本当にチームを勝たせられるガードになることを目標にやりたいです。どれだけ個人で得点を取ったり活躍したとしても、チームとして勝たなければ絶対意味がないと思うので。しっかり結果として証明できるように、今年1年頑張りたいなと思っています」と力強く宣言した。

 次世代の日本女子バスケットボール界を担う若き司令塔は、さらなる成長を遂げ、チームを勝利に導く絶対的なポイントガードへと進化していくはずだ。

文=入江美紀雄

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