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【Bプレミアクラブ展望】千葉ジェッツ「新たな血で原点回帰…取り戻す“スピード”と王座」

過去2シーズン連続で無冠の千葉J[写真]=B.LEAGUE
フリーのスポーツ専門編集者&ライター

 このオフは、近年にない動きを見せた。ヘッドコーチ、外国籍選手全員が同時に新しい顔ぶれに。狙いは伝統的に重視してきた速いトランジションバスケットをより明確な軸として、再び優勝を手にすること。新しい血を入れつつ、原点回帰で臨むシーズンとなる。

 舵取りを任されたのは、アドリアン・コヴァーチHCだ。ハンガリー出身の33歳とHCとしては若い部類に入るが、欧州リーグで10年以上のコーチ経験を誇り、昨シーズンはスペインのバレンシア・バスケットのアシスタントコーチとして、国内リーグ制覇を支えた。自身が標榜する「オフェンスではスピード感を重視してアグレッシブに、ディフェンスでは豊富な運動量で相手を撹乱するスタイル」が、チームの指針とマッチしての契約となった。

 外国籍選手はコヴァーチHCとバレンシアでともに戦った身長208センチのマット・コステロ、ウィングマンとして爆発的な得点力を秘めるブランドン・ランドルフネイト・ウィリアムズはみなアウトサイドのシュート力と機動力を有する。富山グラウジーズから移籍してきた帰化選手のウィリアムニカも、日本でのプレー歴15年と心強い存在だ。しかしランドルフとウィリアムズはプレシーズン中のケガにより、出遅れることになる。

 日本人選手の主力はほぼ変わらず。Bリーグ2年目の昨シーズンに本領発揮となった渡邊雄太をはじめ、リーグ屈指の守備のみならず攻撃でも幅を広げている原修太、ドライブも増えてきたシューターの金近廉らが軸となる。この夏、長く苦しめられてきた膝の状態の良化に努めた富樫勇樹、昨シーズンはプロの壁に苦しんだ瀬川琉久の2人のポイントガードは、スピード感ある展開を実践する上でキーマンとなることは言うまでもない。プロ18年目の荒尾岳に、泥臭いプレーでチームに貢献する田代直希は、メンターとしての役割も担う。

 あとは、若手の台頭を待ちたい。新加入の佐藤巧菅原佳依、ユース育成特別枠で18歳の深水虎太郎、ケガからの完全復活を期す菅野ブルースらが戦力となってくれば、主力のベテラン勢に刺激となると同時に、ベンチ層は強固なものとなる。

 過去2シーズンは無冠、ポストシーズンでは3シーズン連続でベスト4に止まっている千葉Jのリスタートは、Bプレミア元年の大きな注目点となる。

■キープレーヤー/SF #12 金近廉

■キープレーヤー/SF #12 金近廉

[写真]=B.LEAGUE

 大きな注目を集め、20歳で千葉Jに入団した金近廉。以降、試行錯誤を重ねながら、「大器」らしい活躍を見せ始めている。

 本人は一貫して「3ポイントシュートでチームに貢献すること」をテーマに掲げる中、昨シーズンはリングへのドライブも増やして攻撃の幅を広げた。守備では1番(ポイントガード)から4番(パワーフォワード)まで対応できる汎用性も証明。2026年は『FIBAバスケットボールワールドカップ2027アジア地区予選』、『第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)』と、日本代表でも存在感を高めた。3ポイントシュートや豪快なダンクシュートで、ららアリーナ東京ベイの観客を沸かせる魅力も持つ。

 とはいえ、まだまだ伸びしろを残している。ベテラン勢が主力を張るラインナップにおいて、さらなる飛躍で新風を吹き込む。

文=牧野豊

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