1時間前

女子W杯はドイツから日本へ…島田会長は「興行もチームの強化もしっかり準備して臨みたい」

金色のボールを掲げる島田会長と萩原強化委員会部会長 [写真]=fiba.basketball
フリーライター

 9月13日(現地時間)、ドイツのベルリンで行われている「FIBA女子バスケットボールワールドカップ2026」は最終日を迎え、3位決定戦と決勝が行われた。

 81-58でスペイン代表が地元ドイツ代表を下した3位決定戦のハーフタイムには、2030年の「FIBA女子ワールドカップ」の開催国である日本への引き継ぎ式(ハンドオーバー・セレモニー)が行われ、日本バスケットボール協会(JBA)の島田慎二会長と女子日本代表萩原美樹子強化委員会部会長がコート上でFIBA(国際バスケットボール連盟)のシェイク・サウド・アリ・アル=サーニー会長らから金色のボールを受け取った。

 セレモニーを終えて、ボールを大事に抱えながらミックスゾーンに現れた島田会長は「ついにこの日を迎えて、4年後、4年ちょっとですが、ようやく我々にバトンが渡ったので、しっかり準備をして、今回本当に素晴らしい大会になっていると思うので。FIBAからもこれ以上の大会にしてほしいと言うような軽めのプレッシャーもいただいてますが、しっかり頑張っていきたいと思っています。興行的にもそうですし、チームの強化的にもしっかり準備して臨みたいと思います」と大役を終えての感想を語った。

■WリーグやBリーグとの連携など日本一丸で日本女子バスケを加速

「JAPAN 2030」と刻まれた金色のボール [写真]=fiba.basketball

 また、4年後の女子ワールドカップでの興行と日本女子の強化を踏まえ「今の段階で各論はないのですが、まずは日本女子バスケをどうしていくのかと言うことを萩原さんを中心に考えていき、それを実現するためのアプローチとしてWリーグと連携し、興行的なところではBリーグとの連携など、縦串、横串を刺して全体感を持って進めていきたいと思っています。部分最適のようにバラバラになってしまい、『どこに向かっているのですか?』と言う話になるのはよくないと思っています」とコメントした。

 今大会に出場した女子日本代表選手のほとんどが日本国内のトップリーグであるWリーグでプレーしているが、「日本代表が結果を出すことはもちろんなのですが、代表に頼っていると(女子バスケットの人気が)続かないと思うんですよね。代表は代表で、Wリーグをいかに盛り上げるかはキーになります。この4年のスパンで言えばBリーグとの連携や共催といったことを増やしながら、ファンベースは相対的にBリーグが多いので、そこで2030年のプロモーションをしながら、『女子も見よう』、『Wリーグも行ってみよう』といったことは少なくともマストだと思います。

 あとはアンダーカテゴリーなどともいかに連携するかがまず一番やるべきこと。まったくの更地から新しいファンを作ると言うことも必要ですが、まずは今バスケット界を応援してくれているファンベースから女子に向いてもらうと言うことが重要なアプローチだと私は思っています。そこを4年間でやりながら、でも4年で終わりではないので、そのあとも含めてWリーグの発展的な成長の仕組みを動かしながら、ファンベースもBリーグが増やしてきたように増やしていくと言うことをしていきたいです」とも語った。

 4年間で終わりではないと言う言葉のとおり、2030年だけがゴールではないと、島田会長は力を込める。

「もちろん2030年はとても大事なのですが、2028年には(ロサンゼルス)オリンピックがまずあります。その2年後に2030年(女子ワールドカップ)があって、その2年後にはブリスベン(オリンピック)がある。女子のバスケットはそのあとも続いていきます。2030年がすべてではなくて、今回、2030年を誘致した番の一ポイントは、そこを一つの旗印にして、それ以降の未来も本気でどうしていきますかと言うことをみんなで考えて、大きな方針と実際的な具体的なアクションを施すことで2030年も結果が出るでしょうし、そのあとも続いていけるようにと言うことで誘致しています。興行的にも強化的にも、あらゆる選択肢を排除せず思い切ったことをやっていきたいなと思ってます」と長期的な女子バスケットの強化についても触れた。

■観客数23万人超えの現代最多記録を更新…現地の熱狂を2030年東京大会へ

セレモニーは3位決定戦のハーフタイムに行われた [写真]=fiba.basketball

 今回、ドイツ開催の女子ワールドカップではトータルの入場者数が23万6015人を記録。全38試合だった前回2022年シドニー大会の14万5519人を大幅に上回り、全36試合での1試合平均約6556人とともに現代の女子ワールドカップ史上最多観客記録を樹立更新した。準決勝のドイツ戦をはじめ売り切れ(メイン会場のキャパシティは1万2650人)の試合も相次ぎ、大成功のうちに終えた。

 ベスト4のうち3チームがフランス、スペイン、ドイツとヨーロッパのチームだったが、ほかにもヨーロッパ勢は陸続きと言うこともあってか多くのファンが母国の応援に駆けつけ、サッカーさながらの応援で盛り上がった。世界的に女性スポーツの盛り上がりもあるなかの開催だったこともあるだろう。現地の熱狂を直に感じた島田会長はこのように語る。

「“代表”と言う最高のコンテンツだからと言うことではなく、Wリーグやアンダー(カテゴリー)も含めて女子スポーツのなかでもバスケットはものすごいポテンシャルがあると感じています。グローバル的には非常に波が来ているので、2030年を一つのきっかけとしてファンを増やしていかないと。(今大会の)この熱量ってすごいじゃないですか。ただ(人が)集まっているだけではなくて、ものすごい熱量で応援していますよね。ここまでにならないと。人をかき集めていますではダメなんですよね、(会場に)来た人たちの熱がないと。そこまで行くのは時間的に簡単ではないですが、できること、プロモーションやBリーグとの連携などに全面的に力を注ぎたいと思っています」

 “日本バスケット界のみんなで”と強調した島田会長は、「基本的には現場の専門家のプロのメンバーがやっていくことですが、私としてはメンバーがより仕事をしやすいように背中を押してあげたりとか、必要な予算を工面したりと言うことを含めて、支えていきたいと思っています」とも言う。

 ドイツからのバトンを受け取った日本。4年後の東京開催に向けて、日本一丸となってビッグイベントでの成功、そして日本女子バスケットのさらなる進化に向けて取り組んでいく。

文=田島早苗

女子日本代表の関連記事

日本の関連記事