2026.09.14
第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)を戦う男子日本代表は、グループフェーズ3戦目の韓国代表戦に83-100で敗れ、グループ2位で決勝トーナメントに進出することが決まった。
出足は韓国に先行されたが、アレックス・カーク(川崎ブレイブサンダース)のインサイドと前半終了間際に3連続3ポイントシュートが決まり、前半は42-40で2点のリード。後半に入っても一進一退が続くなか、分岐点となったのは第3クォーター終盤。韓国の司令塔、イ・ジョンヒョンに3連続3ポイントシュートとバスケットカウントで連続12得点を献上したのをきっかけに流れを渡してしまい、終盤には一気に引き離されてしまう。韓国はフル代表で参戦しているだけに、残り5分までは善戦したと言える試合運びではあったが、最後は経験値の差が出てしまった。
試合後、吉本泰輔ヘッドコーチ(HC)は「勝利するチャンスはありましたが、第4クォーターに失速して、失点を重ねたことについては修正していかないといけない。追い上げられた理由は相手のディフェンスのプレッシャーが上がったこと。もう1つは6番の選手(イ・ジョンヒョン)がプルアップで何本か3ポイントシュートを決めたので、そこのアジャストメントが必要だった」と振り返った。
また、チャイニーズ・タイペイ代表との準々決勝に向けては「毎日毎日、練習と試合を行うことによってチームのケミストリーが感じられ、チームの成長度が高くなっているので、いい結果を残したい」と意気込みを語った。
吉本HCが言うように、選手たちはグループフェーズの3戦を通して確実に成長している。韓国戦で柱となったのは、短いプレータイムで存在感を出したセンターのシェーファーアヴィ幸樹(仙台89ERS)、韓国のエースであるイヒョンジュンを粘り強く守った高島紳司(宇都宮ブレックス)、流れを変えるシュート力を見せたポイントガードの黒川虎徹(アルティーリ千葉)だ。

リーダーとしてチームをけん引するシェーファーアヴィ幸樹 [写真]=小永吉陽子
シェーファーは9分36秒の出場で10得点を叩き出しただけでなく、「FIBAワールドカップ2027 アジア地区予選」Window4に選出された経験を生かし、リーダーとしてチームメートを盛り上げている姿が目立つ。
チームの成長についてシェーファーは「韓国戦はアレックス(カーク)が柱になりながらも、テツ(黒川)が乗ってきたり、紳司(高島)がヒョンジュンをやりづらそうに守ったり、各自がやらなきゃいけないことをゲームプランのなかで出せるようになった」と分析。自身の出来については、「自分はたくさん点を取るタイプではないが、韓国戦はシュートタッチがよかったので積極的に打ちました」と手応えを語った。
韓国のエース、イヒョンジュンを封じる重責を任されたのは高島だ。チーム最長の31分50秒コートに立ち、リズムを狂わせるタイトなディフェンスは効いていた。与えたスコアは16点。イヒョンジュンにしては少ないほうだ。
「最後に点差がついて負けたのは悔しいです。ただ、途中までいい戦いができていたのでそこは自信を持っていいと思いますし、個人的にはヒョンジュン選手に対して最低限は守れたと思います。やられた部分は前半に僕がスリップした部分(スリップした隙に3ポイントシュートを決められた)だけかなと思うので。でもその分、6番の選手(イ・ジョンヒョン)にやられました。7月のWindow3も8月の強化試合も出ていなかった選手だったので、もう少し注意すればよかった」と収穫と課題を語った。
高島自身、この夏はアジア競技大会とワールドカップ予選の両方の代表に選出されたことで自覚が芽生え、目の色が変わってきているのがわかる。重責を担う責任感が成長に結びついているのだろう。
黒川虎徹は途中出場でコートに立っては流れを変え、勝負強い3ポイントシュートで貢献。カークやシェーファーらインサイドを使った攻撃でも軸になった。グループフェーズの2試合はそこまでシュートが入っていなかったこともあり「ケビンコーチ(アンゼンバーガーAC)から「今日は自分がディフェンスで空けられるよ」と言われていたので、打ってやろうと言うマインドで入れたのが大きかった」と積極的にアタックし続けた理由を語った。
「個人的にオフェンスはよかったのですが、もっとディフェンスにフォーカスすべきでした。やられてはいけない選手に対してディフェンスに問題がありましたし, ファウルが先行してしまいました」とチームディフェンスの出来に反省しきり。次戦に向けては「ゲームの入り方に気をつけたいのと、もう少し速いオフェンスを仕掛けたい」と展望を述べた。そして個人的に掲げているテーマとして「この大会でチームを勝たせたい」と、司令塔としてのステップアップを誓っていた。
韓国相手に善戦はできた。しかし、この善戦を「いい経験ができた」だけで終わらせるつもりはない。フル代表で参戦している韓国にしても、高島や黒川と同世代の24~25歳の選手が多く、それより下の世代もいる。同世代がフル代表で活躍していることに刺激を受け「もう一度、韓国と対戦して次は倒したい。そのためには決勝で対戦するしかないので、勝ち上がっていきたい」(高島)と言う新たな目標もできた。各自がステップアップを図るとともに、「今度こそはチームを勝たせたい」(黒川)と言う意欲を持ち、準々決勝のチャイニーズ・タイペイ戦に挑む。
文・写真=小永吉陽子
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